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け _ VI ページ6

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「私の異能は『云った内容を数日間消す事』なのだよ」

Aは何もない更地に寝転ぶ。



「…」



中島は何て云えば良いのか解らなかった。



 凄いね、

 格好いいね、

 僕も使えたらな、



…なんて、思ってもいない言葉を交わした方が善いのか解らなかった。



「白髪君、君に飴玉をあげよう」

突如、Aは起き上がり素っ頓狂な事を云い出した。



「今?!てか、もう飴玉は、」

中島が云おうとした途端、Aが掌を上に向け其処に飴玉が現れた。


「…え?!」

中島は飴玉に目を奪われた。


「『飴玉がない』って事を異能で消した」

Aはそう云う、ひょいっと自身の口の中に飴玉を投げ込む。



「凄い…」



先程まで反応に困っていた中島だがやはり思った事を口に出した方が良いと感じる。



「でしょ」

Aはドヤ顔で胸を張る。



初めて人に褒められたのが嬉しかったのか、将又普通な反応をしてもらえて嬉しかったのか。



「…寝るぞ、白髪君」

Aは糸が切れたようにまた更地に寝転がる。



「おやすみ、」

中島は彼女の名前を云おうとしたが寸前で止めた。



云ってはいけない決まりだから。



「ん、おやすみ。白髪君」



中島も寝転がり目を瞑った。



明日は如何しようか、

明日は何をしようか、

明日は______。




すやすやと眠る二人の頭上には満天の星空が広がっていた。




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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年4月18日 14時

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