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い _ V ページ5

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一日目はAと中島が出逢った日。

二日目が今日だとすると、後一日となる。



「ねぇ、何で僕と三日間一緒に居るの?」



中島は気になりつつあった。

否、気にならない方が可笑しい。



「私の行動に意味があると思ったら大間違いだよ」

Aは適当にはぐらかした。



()()、その時じゃない。



「じゃあ、何で君は彼処(河川敷)にいたの?」



中島が訊いた瞬間、素人の中島でも判るドス黒い何かを感じた。




「ん?聞こえなかった、もう一回云って」



殺気だ。




中島は人の顔を伺い生きてきた為、細やかな特技がある。

人の触れてはいけない所に触れた時に判るのだ。



中島はその殺気に声も出せなくなり、首を横に振った。



「そう、じゃあ今日の寝床でも探そうか」

Aは先刻の殺気を出したとは云えない声色で云う。



二人は或る処を目指した。



* * *



或る処に着いたのは日が暮れてからだった。



「此処は…?」



辺りを見回しても壊れた壁に壊れた床、俗に云う廃墟、もっと云えば廃病院だ。



「ちょっと、勝手に入っても大丈夫なの?」

中島は数メートル先を歩くAに訊いた。



先刻、殺気を出してからは一言も会話をしなかったが中島は吹っ切れたらしい。



「大丈夫さ、白髪君。廃墟は無価値、誰も欲しいとは思わない」



中島はAの言動に疑問を持った。



「何で欲しい…?」


「白髪君、異能力って知ってるかい?」

Aは中島の質問を無視して質問をした。



「知ってますけど…」

いきなりで敬語になる。



その返答にニヤァとAは口角を上げた。

「じゃあ、私の異能力を紹介しよう」


「え、君って異能力持ってたの?!」

異能を披露する、よりも、異能を所有していた事に驚く中島。



そんな事も無視しAは立ち止まった。



 異能力___『他言無用』


「廃墟」



Aの声と共に周りにあった壊れたベットや椅子が消えた。



「え…」



廃墟の中で呟いた中島の声は何もない更地に木霊した。




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け _ VI→←は _ IV



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作者名:遠藤氏 | 作成日時:2020年4月18日 14時

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