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『別れたいの。乙骨、聞いて』



乙骨がお風呂から出てきたタイミングで、
もう一度言う。




乙「あれ、さっき別れないって言ってたよね。

どうしちゃったの、本当に。」




...さっきのは無理矢理言わせたみたいなものじゃんか。



『やめたいの。このまま二人でいても、お互い幸せに
なれないよ。...少なくとも私は幸せじゃない』




自分でも不確かな部分だけど、そう言いきった。



乙「お互い好きなのに、なんで別れる必要があるの?」


私の核心を突くように、乙骨は言い放つ。



____そう言われてしまうと何も言い返せない。



それでも、この関係を終わらせたくて、嘘をついた。



『私、乙骨のこと__もう好きじゃない。


だから、別れよう』









...乙骨が怒っている。空気が張り詰めて、すごく怖い。

相変わらず慣れないこの圧に、少し息を吸い込む。





私が嘘をついていることがバレているのかは分からな
いが、乙骨は私の目をじっと見た後 口を開いた。




乙「.......さっきと言ってることが随分違うね。







まぁ、そこまで言うなら別れよっか。




また好きになってもらえばいいし。」





若干、文末が不穏ではあったけど、私にとっては
状況が大きく変わった初めての"進展"だった。



『うん、そうしよう。ありがとう。聞いてくれて』



毒がすぅっと引いて行く感じがして、体が軽くなる。


やっと ___ 乙骨から逃げられた気がした。


一言伝えて、自分の部屋に戻ろうと乙骨の部屋のドア
まで足を進める。




乙「Aさん」


『何?乙骨くん』



付き合う前の呼び方に戻して、境界を引く。




乙「自分で言い出したんだ、



______ ちゃんと覚悟してね。






君の心も体も全部知ってる。



"弱いところ"も全部わかってるからさ、




僕から逃げきれたらいいね。頑張って。」




"頑張って"と言うその目が


私を 絶対に逃がさない とでも言うようで、

.......それがひどく恐ろしくて。




『..........ッ』




バタン!!!




全てを断ち切るように、強くドアを閉めた。



ここまで来たんだから、
もうヤツの手中には収まらない。



そう決めて、女子寮まで歩きだした。

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ももちゃ - いやぁ、いい小説やぁ、、、 (2022年12月18日 19時) (レス) @page6 id: 8be011992d (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - 今作も最高に最高な作品でした〜!!!!!ありがとうございます、、、、 (2022年7月25日 15時) (レス) id: 2b6b2b0610 (このIDを非表示/違反報告)
春風いちご - ああもう最高、早く小石さんの宗教作りません? (2022年7月4日 20時) (レス) id: d57e220c95 (このIDを非表示/違反報告)
chimuko(プロフ) - ほんと毎回天才すぎませんか、私もう小石様の書く乙骨しか見れません大好きです……これからも更新頑張ってくださいいいい応援しております(;;) (2022年7月3日 15時) (レス) id: 0efb2643b6 (このIDを非表示/違反報告)
げろ(プロフ) - うわ最高すぎます。これからも更新頑張ってください!! (2022年7月2日 14時) (レス) id: b9f8def78a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小石 | 作成日時:2022年6月26日 3時

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