【名探偵コナン】異世界の訪問者 番外編《男主》

IFストーリー《地獄で会おう》 2 ページ7

目の前が真っ暗になり、衝動的に俺はジンに銃口を向け、迷いなく引き金を引いた。


それとほぼ同じタイミングで、零さんも力を振り絞り引き金を引いたようだ。



2発の銃声が響き、ジンの体が地面に伏した。



自害すると見せかけて、零さんの隙を狙い相打ちで終わらせようとしたジンの目的に気づくのが遅すぎた。




『ッ…！零さん!!』



ジンの様子に構うことなく、仰向けに倒れている零さんのもとへ駆け寄った。




「…は…、終わ…った…か…、ようやく…」

『…な、何言ってるの…。まだ終わってないでしょ…。これから…、みんなのところに戻って…っ、後処理に追われて…、それで…ずっと、俺と一緒にいるんでしょ…っ』


ジンが放った銃弾は、零さんの肺を打ち抜いたようだ。


頭部と胸部からの出血が酷い…、もう、おそらく…。



頭では分かっていても、零さんは死なない、死ぬはずがないと、現状を受け入れられない自分がいた。




「…すまない…、ひと、りにする…」


零さんの体を抱き起こし、その体を支えると血に濡れた手で頬を撫でられた。


その手から、ぬくもりが消え始めていることに気づき、もう何も分からなくなる。




『だ、だめ、一緒に帰るんだよ…！』


繋ぎとめようと必死にその手を握り、体を支える手に力をこめる。




「…僕は、お前に出会えて…よかった、…幸せだった…」


やめて。



「ありがとう…、出会って、くれて……、支えてくれ、て…」


やめてってば。



そんな…最期の言葉…みたいな――…。





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