【名探偵コナン】異世界の訪問者 番外編《男主》

IFストーリー《黒に堕ちる》 1 ページ13

リクエストいただきました、
IFストーリー【男主が黒に堕ちる】です。

もし、死ぬ前に警察上層部に裏切られたことを知ってしまったら、のお話。

※闇落ち

もしかしたら続くのかもしれない。


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俺はここで死ぬ。





月明かりだけが照らす、暗い倉庫街。


背後は倉庫の壁。
完全に追い詰められ、逃げ道はない。



「ボクの手で終わらせてあげることができて嬉しいよ、クロセ」



歪んだ笑みを浮かべ、俺に銃口を向けるのは組織のNo.2のユエル。



俺が死んだら、この組織が日本の政府の重要人物と繋がっているという決定的な情報が流れるだろう。


そうすれば、もう組織は終わりだ。




でも…どうして…、俺はここまで上手くやっていたはずだ。

どうしてバレた？
俺が日本警察のスパイだと…。




「あは、分からないって顔してるね。なんでこんな状況になっているのか」



俺の内心の混乱を見透かしたように嗤うユエル。



この先を…聞いてはいけない気がした。





聞いたらきっと…俺の心も――…壊れてしまう。






「キミは裏切られた。…キミが命を捧げていた、警察上層部…この国にね」

『っ…！』

「可哀想に、日本警察の…マシロカエデくん」






その瞬間、もう全てがどうでもよくなって。

怒りも、悲しみも、全ての感情が抜けてしまって。




早く死にたい――…それだけが心の中に残った。





「ボクが、キミを楽にしてあげるよ。もう何も考えず、ゆっくりおやすみ」



あんなに憎かったユエルでさえも、今このときは天使のように思えた。





もうほんと、どうかしてる――…。






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