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二十七松 ページ29

その日の夜中。何故か眠れずにいた俺は台所に水を飲みに降りてきた
そしたら誰かが消し忘れたのか、居間から灯りが漏れていた


『(誰だよ最後に上がった奴…電気代が勿体ねぇじゃん)』


そう思って襖に手をかけた時、中から声が聞こえてきた
思春期真っ只中の男だらけの兄弟だから、誰かがあのDVDを見ながら済ませてんだろうとかその頃の俺は軽い気持ちで覗いてみた
でも俺が見たのは想像とは全く違う光景だった


『(ノート…?)』


居間のちゃぶ台の上には沢山の勉強道具。そして開かれたノートの前には十四松がシャーペンを持って船を漕いでいた


『(自分の意思で勉強するとはな…)』


小学生の頃は勉強が嫌いで、テストの点数は平均以下。そんな弟に俺は勉強を教えるという義務を押し付けられた事がある
そして何となく手近にあった歴史のノートを捲ると、俺は思わず息を飲んだ


『なんだよ…これ……悪口ばっか…』


十四「っ…見ないで!!」


いつから起きていたのか、十四松は俺からノートを取り上げるといつもの笑顔で起きてたんだね、と言ってきた


『また笑顔…』


十四「え…?」


『ムカつくんだよね。いつもヘラヘラ笑ってさ
何お前、笑うことしか出来ねぇの?
笑ってばっかで他の顔は出来ないのかよ』


俺がそう言うと、十四松は声を抑えて泣き出してしまった


十四「ぼく…変だって……っ、頭が可笑しいって…グスッ…笑って、ばっか…で…気持ち…悪い…って…
だから、べんきょーして…変わりたい…っ、けど…怖い……学校……行きたく…ない…っ」


その時の十四松は顔を隠していて表情が分からなかった。俺はその様子を黙って見つめていて、泣き疲れて寝てしまったのを見計らってから十四松の側に寄った


『大丈夫だ。絶対上手くいく
自分に自信を持て。お前には笑顔が一番似合ってる』


これが俺と十四松の話
他の弟との話はそれぞれと仲直りができたら話すよ

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変態紳士 - 好きです((イケヴォ (10月16日 19時) (レス) id: 2d63b57691 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - 途中までしかまだ読んでませんが、お兄さんは悪くないような、、、あんな家庭環境だったらそうなるのも当たり前、、、私はお兄さんの味方です! (2020年6月29日 19時) (レス) id: 752e5a7709 (このIDを非表示/違反報告)
al8056(プロフ) - 45話なんですけど……すい曜日って言うより水よう日の方があってる気がします (2020年6月2日 9時) (レス) id: bd89f0112b (このIDを非表示/違反報告)
Fickle(プロフ) - コメント失礼します。 設定の時点で、もう好き!!自分も箏曲部なので、めっちゃ親近感湧きます!!!箏っていう字が見えた瞬間、『え、仲間やん!!!!』って叫びました笑 これからも頑張ってください!!応援してるでござる! (2020年4月10日 14時) (レス) id: 7647ad033f (このIDを非表示/違反報告)
もえな(プロフ) - はやぁーーく!続編!!来てぇーー! (2016年7月5日 21時) (レス) id: 2cf466b34b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年3月9日 21時

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