儚い願い (ページ16)

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「壱馬さんのことすき？」

なんて急に聞いてくる颯太

ビックリしてむせっちゃったじゃんか、

『なんで、？』

「いや、この間話聞いちゃって」

『え？』

「臣さんがAと壱馬って幼なじみで、って」

『臣くん誰とその話してたの？』

「誰だかは分からないんだけど、臣さんの声は確かに聞こえた」

『そっかー、幼なじみなのは認める。だけど好きっていうのはホントじゃない。』

「絶対嘘じゃん、」

『壱馬とこの間ばったり出くわしちゃって、女の人とあるってるの見て私諦めようって、だから今はそんな恋愛感情とか持ってないし、』

「すきなんでしょ。」

『っ、』

「言えばいいじゃん、何年付きあいだよ、」

『壱馬はアーティスト。私は一応一般人。
それに、あの人がどれだけ女との関係を持たなようにしてるか。
そんななのに、私が一方通行の恋愛をして
別に楽しいもんじゃない、なんなら辛いもんでしかない
振り向いてもらえることさえないかもしれない、』

「そんなのは自分の考えでしょ、！？
壱馬さんに明日LINE追加するように言っとくからさ、
ちゃんと会って話してくんない？
じゃないとなんか俺がもやもやしてる。」

はぁ、なんていい男なんだ。

でも、別に会って話すとか求めてるわけじゃない。

それに女との関係を持たなようにしてる彼とLINEは

絶対に交換しない。そう決めていた。