私、ATMなんで。37 (ページ16)

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『去年と今ならどっちが好き？』

XU「去年のなんて忘れちゃったよ。」

『忘れたなんて酷いよ！！私はお兄ちゃんがどんな髪型にしてもどんなカラーにしてもっ、たった数ミリ毛先を揃えただけの変化も全部覚えてるのに！！』

XU「はいはい、俺が悪かったから。」

『忘れたなら見て思い出して。』

XU「は？」

『去年の私の写真見て今の私と見比べて！』

XU「え～、めんどくさいな～……去年のって、探すの大変じゃん。だいぶ遡らないと…」

『へ～、携帯にちゃんと保存してるんだ？去年の私。』

XU「ッ！？」

『探すの大変なくらいいっぱい写真があるってこと？もしかして、私専用のフォルダとか作っちゃってるの！？キャーッ！なにそれ愛じゃーん！』

XU「フォルダなんて無ぇよッ！！お前、カマかけやがったな…？」

『お兄ちゃんがチョロいから～』

XU「こっの…ッ」

『お兄ちゃんが鹿に私の写真を送るように言ってるんだ？』

XU「っ、………違うし。あいつが勝手に送ってくるんだし。暇なんじゃない？」

『何枚くらい保存してるの？私の写真！』

XU「知るか。」

『私はね～、お兄ちゃんの写真が……ざっと5万枚くらいかな！』

XU「その携帯容量どうなってんの？」

『全部尊いよ！』

XU「あっそ。」

『これでも携帯変えてだいぶ減っちゃったんだよ～。それで？前の私とどっちがいい！？』

XU「もうどっちでもいいって。でも、今も全然傷んでないよ？サラサラで綺麗だからこのままでもいいんじゃない？」

『ほんと！？お兄ちゃんの高いトリートメント、こっそり使ってた甲斐があったね！』

XU「あっ！どうりで減りが早いと思った！あれは俺みたいに何度もブリーチする人用の、めちゃくちゃ高いやつなんだぞ！」

『へへへ～、だから綺麗でしょ？』

XU「ったく……今度、メイクのヌナに頼んでみる？俺たまにだけどヌナに切ってもらうよ。」

『え～、あのおばちゃんに？』

XU「おばちゃんじゃなくてお姉さんだろ？また怒られるぞ。長さ変えないなら、毛先だけ揃えてもらえば？俺もそろそろ前髪切りたいし！お前がチェンベクシの現場来る時にタイミング合えば切ってもらえばいいじゃん。俺から頼んでおいてやるから。」

『わかった～』

XU「ちゃんとお礼言わなきゃ駄目だからな。」

『言えるよ～』