私、ATMなんで。 (ページ25)

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『あ～、バイトかったりーな。早く帰って今朝手に入れたしうちゃんの新作DVD拝まなきゃいけないのに…クソッ、ミスったわー。何こんな大切な日にバイトなんて入れてんだよ。馬鹿かよなにしてんだよ死に値するよ。あ～、行きたくねぇーなー。』

BK「お前、いつも簡単に休んでんじゃん。そんなに嫌なら今日も休めばいいだろ？」

『お前馬鹿だろ。来月は何があると思ってんだよ。まさか、…忘れたとは言わせねーぞ？』

BK「………いや知らねーよ。」

『お前は普段、何を思い何を考え日々生きてんだ。そんな無意味な人生ならやめちまえっ！！』

BK「……で、何があるんだ。」

『しうちゃんのライブツアーが始まる。それにともない、ツアーグッズが売り出される。ツアーＴシャツはもちろん、ツアータオルに始まりしうちゃんのプリティなお顔がプリントされた便利な洗濯バサミまで、全12種だ。その内ランダムグッズが2種で全て揃えると全14種。保存用も合わせて買うと合計9万8千900え～ん！ありがとーございま～す。つーことで、休んでる暇などない。』

BK「洗濯バサミをグッズにするアイドルってなんだよ！！毎回思ってたんだけど、そういうのって言ったらくれんじゃねーの？」

『これだから馬鹿の付く犬は……この私がしうちゃんの手を煩わせるわけないだろ！それにこれは、私のしうちゃんへ対する愛情表現の一つだ。9万8千900分もの愛を伝えられるんだぞ！いや、足りねーな。Ｔシャツはパジャマ用にもう一着追加しよう。』

BK「さいですか…」

『で、貴様はなんでまたついてくるんだ？いつもいつもなんなんだよ。習性か？放課後は私の後をついてくるよう躾けられてんのか？躾けた覚えねーよ！』

BK「俺もねーよっ！！お前のバイト先行くっつったろーが！ファミレス！チャニョル達と課題するってさっき言っただろ！？あいつらは委員会終わってから遅れて来んの！」

『聞いてない。てか聞こえない。しうちゃんの声紋しか私の耳は認識しないししたくない。』

BK「ハァ…もういいよなんでも。わかってるよ。それでも側にいる俺らが変なんだよ。そもそもなんでこんな奴と一緒にいるんだ。ドMか。俺らはドMか。ドMはチャニョルだけで十分なんだよっ！！」

『おいおいどうした、絶好調だな。』

BK「……お前、俺ら三人がいなかったら友達ゼロだぞ！？もっと敬えよっ！」

『私、親友いるし。』