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【半生】
ブレイクは、“かつては”高い地位を持つ魔法使い一家に生まれた一人息子だった。
テイラー家の地位を落としたのは、ブレイクの父だった。父は異常な人であった。人を傷付ける事に快感を得、どんな残虐な事をしてもなんとも思わない、所謂サイコパスの1人だった。父は猟奇殺人犯だった。隠れて、人を殺して回っていた。
父はブレイクが9歳の頃、隠していた殺人がバレたのをきっかけに、殺人を知った人を全員殺して証拠を消すという方法を実行した。家中の人が死んだ。使用人も、祖父母も、母も、止めようとした多くの魔法使いも。しかし、ブレイクの父は善なる魔法使いに不意を突かれて、そのまま死亡した。
ブレイクは死体の山に埋もれてたまたま生きていただけだった。母が命懸けで守ってくれたからだ。
ただ、その時でさえブレイクは涙1つ流さなかった。母が自分を守ったことに疑問を持った。家の中の惨状を見て泣き出す魔法使いに疑問を持った。思ったことといえば、生き残れてラッキーだったと。
あろう事か、父の異常性は、ブレイクにも引き継がれていたのである。
ブレイクは親戚の家に引き取られた。親戚は家族を亡くしてショックを受けているのだろうと、ブレイクに優しかった。しかし、親戚達はブレイクに疑問を抱き始める。この子はどこがおかしいのではないかと。
ブレイクが親戚の子供と遊んでいた。同じおもちゃで遊ぼうとした。相手の子供が先におもちゃをとった。ブレイクはそのおもちゃを貸して欲しいと言った。相手は嫌がった。──すると、ブレイクはなんの躊躇もなく相手の子供を叩き、子供が痛みに泣いているうちにおもちゃをとって、相手が泣いているというのにその目の前で遊び出したのである。
彼らは思った。「この子には人の心が無いのだ」と。悟った。
彼らはブレイクと距離を置くようになった。次第に、ブレイクも自分の身の回りから人がいなくなっていくことが分かった。
皆が指をさして言うのだ。「人の心を持たない怪物だ」「人の皮を被った化け物だ」「本当は人を殺す悪魔なんだ」
ブレイクは聡かった。自分が周りと違うということを学んだ。
けれども、隠すにはもう遅すぎた。ブレイクへの恐怖は膨れ上がっていた。親戚らはブレイクを捨てた。
いよいよ行く宛を無くしたブレイクに、手を差し伸べた人がいた。それが、今のブレイクの師匠だった。
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ツッキーウサギ(元:アリス@リア狂さん)(プロフ) - 夜分遅くに失礼します、もしよろしければブレイクくんとブランカで関係を組んでいただけませんか? (2020年12月13日 21時) (レス) id: fa3c8a4e1d (このIDを非表示/違反報告)
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