■世界観 ページ1
“
──1頁 20xx年 六月某日
怪物と言うには鮮やかすぎる奴らがやって来た。
奴らの頭部は、美しい植物・奇妙な生き物・不気味な無機物…等と、あまりに不思議で魅力的だった。しかし奴らは人々を襲い、食い始めた。武器が効かない。
その日を境に“人間”ってのはすっかり消えちまって、代わりに人間みたいな怪物が、食物連鎖の頂点に立った。
──2頁 20xx年 七月某日
皆奴らを恐れて逃げ出した。けれど、奴らは何処までも追ってくる。
奴らはとても理性的で、知的で、そして強かった。全てにおいて、私達人間を上回っていた。逃げられない。妻と娘が殺された。私は街で生き残っていた子供達を車に乗せ、知り合いのシスターのいる、遠く離れた小さな孤児院に隠れた。
──3頁 20xx年 八月某日
私は孤児院の子供達を守る為、奴らを研究する事にした。
奴らの体は一見人間と同じ造りだ。…頭部を除いて。頭部の形は個体差があり、花であったり、豚であったり、或いはカトラリーであったりと統一性は無い。奴らの体は傷付くが、忽ちその傷は治る。頭部は一際硬く、銃弾を弾かれる程だ。どうにかして、子供達を守る為奴らの弱点を見付けなければ。
──4頁 20xx年 六月某日
奴らが現れたあの日から、10年が経った。
子供達もすっかり大人になった。そして私は10年の間に突き止めた。「奴らを殺す方法」を。
奴らの弱点は、あの異形の頭部だ。奴らは頭が良いが、その分頭が弱点になっている。脳、脳に刺激を与える事さえ出来れば、その頭部は強度を失う。
私は護らなくてはいけない。未来の種を…子供達を。
”
「これがバルカさんが“遺してくれた”手帳の中身」
そう言って青年は薄汚れた手帳を閉じた。
彼らはその手帳の著者『ハンニバル・バルカ』の“子供達”。バルカは──5年前、怪物達に殺され、この世を去った。そんな彼の手帳が──彼の部屋の片隅から、子供達の手によって見付かった。
青年は言う。
「アイツらを殺してでも生き残らなきゃいけないって事だ──そうだろ?」
_Mostro Mask
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勿忘草(▲鏡夜▽)(プロフ) - 【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/Wonder_land/】遅れてしまい、申し訳ございません!完成しましたので、ご確認をお願いします。 (2020年6月1日 0時) (レス) id: c8478bd937 (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - エラさん» テンプレートの件承りました。派生作品も追加させていただきます! (2020年5月31日 22時) (レス) id: 62819c8559 (このIDを非表示/違反報告)
くろせ(プロフ) - S e e l e y _ピノさん» 確認しました、素敵な作品をありがとうございます! 追加させて頂きます。 (2020年5月31日 22時) (レス) id: 62819c8559 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - 派生作品を作りました。もしよければ、確認お願い致します。https://uranai.nosv.org/u.php/novel/3ce63ab9b42/ (2020年5月31日 12時) (レス) id: 6451d1bf62 (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - すみません。文字数の関係でキャラシートをこちらに移させていただきました。URLを変更してもらうことはできますか?https://uranai.nosv.org/u.php/novel/3ce63ab9b41/ (2020年5月31日 12時) (レス) id: 6451d1bf62 (このIDを非表示/違反報告)
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