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No.107 ページ8

「その提案には、まだ答えられない」

静まり返る戦場。
皆が唖然とする最中、斎槻と志津留は剣士に真っ直ぐ向き合う。

「勘違いするなよ。提案を受け付けないと言う訳じゃない」
「我々では、その提案に応える資格が無いだけだ」
「資格……」
「その提案に応えられるのは只一人。Rebel Army首領ミルク、又の名を白瀬太刀しか居ない。そうだろ、rubbish heap首領、黒瀬剣士」

首領代理を務める赤嶺は半壊したアジトに居るが、それでは意味が無い。この提案は、この和平案は、首領同士でなければ意味が無いのだ。

「ミルクが帰って来るまで待ってほしい。それまでは一時停戦、此処を凌ぐ」

ミサイルが飛んで来た方角から、重低音が再び響き渡る。恐らく、現場確認の為に来た軍隊だろうと推察する。制圧したと言う事実を確信の物にする為に。

「その内帰って来ると思うけど、どうかなぁ……でも、彼方は待ってくれないみたいだね」

志津留が溜め息混じりに拳銃の安全装置を外すと、斎槻もホルダーから数本のナイフを取り出しながら苦笑いする。

「……結局、“お前等”はこの提案には賛成なのか?」

黒瀬もゆっくり抜刀し、漆黒に輝く刀身構え直しながら問うと、斎槻と志津留は顔を見合わせ、さも当然と言う表情で応えた。

「こうなったのは、戦争を起こした私達の責任だろ? 子供達を守る為に両者は争っていたのに、いつのまにかその趣旨は変わってしまった。この不始末は私達が負うべきだろう」
「火の始末ぐらいはちゃんとしないとね。残念ながら僕は子供達に興味無いんだけど、やるからには最後まで徹底的に」

斎槻は再びインカムに電源を付ける。
相変わらずキンキンと煩い壊れ掛けのインカムだったが、それでもちゃんと役割は果たしていた。

「総員、戦闘態勢。敵は軍隊、政府……なんて言えば良いんだろう」
「国で良いんじゃないか」
「成る程。僕達等々国を敵に回したのか」
「回して来たのはアイツら大人だろ? 無関係な人間まで巻き込みやがって……」
「来ますわ! 目標、三時の方向に20、30……50……いいえ、もっと!」
「上等です」

麗華がフルーレで空気を裂きながら薙ぎ払い、那緒は空間を繋げて取り出した鎌を地面に突き立てる。
レブルの隊員も来たる時に備えて、それぞれ武器を構えて待機する。

「さて、蹴散らしに行くか。子供を舐めて掛かったら痛い目見るぜ」

黒瀬がニヒルに笑うと、刀を真っ直ぐ敵に向けた。

「俺達を怒らせた事、後悔させてやるよ!」

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花梨(プロフ) - 皆さまお疲れ様でした〜 (2018年9月14日 22時) (レス) id: e3aad0174a (このIDを非表示/違反報告)
透明少女(プロフ) - お疲れ様でした!あまり参加出来ずにいて申し訳ありませんでした…!本当にありがとうございました!! (2018年9月14日 21時) (レス) id: 6dddb2cb16 (このIDを非表示/違反報告)
睦都(プロフ) - 初めからずっと見てました!主催者様、参加者様の皆様お疲れ様でした!剣士君たちとても好きです(*^^*)ほんとうにお疲れ様でした (2018年9月14日 19時) (レス) id: 3a040f6594 (このIDを非表示/違反報告)
羊素。(プロフ) - 遂に完結ですか…少し寂しい気もしますが、主催者様、及び参加者の皆様、お疲れさまでした。 (2018年9月14日 5時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - お疲れ様でした! (2018年9月13日 18時) (レス) id: c46d432f11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カレーライス x他10人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年8月4日 11時

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