No.119 ページ20
日は暮れ始め、瓦礫だらけの東京をオレンジ色に染める。
そこには、黒瀬と白瀬の姿があった。互いに見詰めて、動かない。
硬直した空気を壊したのは黒瀬だった。
「…オレは…、苦しむ子供なんて見たくなくて…苦しめる大人を殺してきた」
「…」
「でも、結局苦しめてた。」
黒瀬の脳裏に焼き付いて離れないあの親子がフラッシュバックする。
二人の幸せを「奪ってしまった」。
「約束、覚えてるだろ？」
黒瀬は少し懐かしむように笑って、白瀬に話し掛けた。
「忘れる訳ない」
そんなぶっきらぼうで暖かみを感じる白瀬の言葉に、変わってないなと黒瀬は嬉しそうにはにかんだ。
「お前に手伝って欲しい」
…『世界を変えよう』。
いつか二人が約束したこと。
忘れるはずも、忘れられるはずもない大事な大事な約束。
「もう壊した。東京も、大人も幸せも。なら…ならさ」
“壊すのは最後にしよう”
「………ああ、そうだな。どうせなら、いらないものは全部壊そう」
そこは揺るがないな、と黒瀬は笑った。遠くからは自衛隊か何か知らないが、武装した大人達が走って来ている。
「オレたちに世界なんて変えられるかな？」
刀を抜きながら珍しく自信なさげに言う黒瀬。
それを見た白瀬は笑って言った。
「きっと出来るだろう。…私達なら」
「……そうだな…。なら、オレに
ニヤッと笑って黒瀬は落ちていた壊れかけのハサミを手に取り、前髪をジョキジョキと切る。
鏡がないせいで、右側が長いアンバランスな形に切れている。
見た目も内面も関係ない世界を。
そんな気持ちの表れだろうか。
自分にまとわりつく重りを無くしたかのようにいつもより清々しく笑って黒瀬は走り出す。
どうせならこの力、誰かを助けるために使おう。助けて壊そう。
そんな事を思いながら、ただ刀を振り下ろすのだった。
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花梨(プロフ) - 皆さまお疲れ様でした〜 (2018年9月14日 22時) (
レス) id: e3aad0174a (このIDを非表示/違反報告)
透明少女(プロフ) - お疲れ様でした！あまり参加出来ずにいて申し訳ありませんでした…！本当にありがとうございました！！ (2018年9月14日 21時) (レス) id: 6dddb2cb16 (このIDを非表示/違反報告)
睦都(プロフ) - 初めからずっと見てました！主催者様、参加者様の皆様お疲れ様でした！剣士君たちとても好きです(*^^*)ほんとうにお疲れ様でした (2018年9月14日 19時) (レス) id: 3a040f6594 (このIDを非表示/違反報告)
羊素。(プロフ) - 遂に完結ですか…少し寂しい気もしますが、主催者様、及び参加者の皆様、お疲れさまでした。 (2018年9月14日 5時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - お疲れ様でした！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c46d432f11 (このIDを非表示/違反報告)
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