No.29 ページ30
「あー……これは失敗作かな。今度調整してもらわないと、こうもバタバタ死なれたら困るんだよね。君もそう思わないかい?」
レブル拠点の地下、その最深部は薄暗く閑散としており、団員でさえも寄せ付けない不気味さを醸し出していた。
その最深部のとある一室に、所々擦れて破れたレザーのオフィスチェアに優雅に座る青年──翠斎槻は、スタンガンの様な小型の機械を手の中で転がしながら、目の前で電気椅子の様な拘束具に縛り付けられた憐れな男に向かって微笑んだ。
部屋の中は強烈な狂気と鉄の匂いが充満し、コンクリート製の壁には両手にスパイクを打ち込まれ磔にされた辛うじて人の形をした複数の遺体、同じく床には人だったかもしれない何かの肉片と血溜まり、赤黒く染まった鶴や蝶に形作られた折り紙が散乱する、正に地獄の様な空間が広がっていた。唯一外と繋がっているであろう通気口からも紅い液体が滴っており、外された鉄枠の代わりに鉄の糸と鶴の折り紙で空気の出入り口を縫う様に塞がれている。
吐き気を催す程の血生臭い部屋で、斎槻は椅子から立ち上がり、小言を喋りながら椅子に拘束された男の周りをゆっくり舐める様に回る。
「実験だからね失敗もあり得る訳なんだけど、頭が丸々吹っ飛ぶとは思わないじゃないか。お陰で収穫物が内臓だけだなんて、今の労働の割に合わないと思うんだよね。だから、君達を助けに来たのか抹殺しに来たのかも分からない総勢126人の兵士達は本当助かったよ。特に少年兵、一人を残して皆肉塊にしちゃったけど、問題ないよね」
斎槻がチラリと部屋の隅に目を向けると、壁にめり込むのではないかと思える程身体を壁に密着させ、ナイフが突き刺さる右太腿を抑えながら、10歳ぐらいの少年はガタガタと震えながら泣き�桐っていた。流石にナイフを抜けば出血死してしまうのは分かっているらしいが、止血の仕方までは分からない様で、溢れ出る血を掬いながら抑えるのが精一杯だった。
その様子が滑稽に見えたのか、斎槻はクスクスと笑いながら男に再び目を向ける。
「子供の内臓って、高く売れるらしいよ。お金が欲しい訳じゃ無いけど、売ってる場所には興味があるんだ。君なら知ってるよね、
「知らない! 俺は雇われただけだ!」
「え? 抜歯がしたい? しょうがないなぁ」
「ま、待て! 本当なんだって! 俺はガキを運べば大金が手に入るって──」
男のお粗末な弁解は、斎槻が口内にナイフを突っ込んだ事で消え去った。
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おバカな傀夢(プロフ) - 皆さん、上手くて凄く尊敬します！！え、もう。好きになっても良いですよね。 (2018年6月26日 21時) (
レス) id: 5ff30031ff (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - え、ウチの子がとても良い感じのクズ感。そして、ミルクさんとロストアイズさんがクールビューティ過ぎて好きです。 (2018年6月26日 21時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 自然悦岫さん» 見てみます！ (2018年6月26日 6時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
自然悦岫(プロフ) - ドットコムさん» ありがとうございます。モデルにした谷川俊太郎さん作詞の合唱曲、「サーカス�機‘参宗縮粥廚鮴�非YouTubeで聞いてみてください。 (2018年6月25日 22時) (レス) id: 18ee1d3faa (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - ロストアイズさんカッコよ！！！！！！！ (2018年6月25日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
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