No.27 ページ28
都甲が劇薬作りに励んでいるところへ、ロストアイズが入ってきた。
「あ、都甲、帰ってたのか」
「あ、ロストさん。そういうアンタは、曲芸の練習終わり？」
「まあね。もう少し練習するけど」
「それはお疲れ様なこって」
そう言うと、都甲はほうじ茶をすすった。
「熱っ」
舌を火傷したらしい都甲は、舌を出している。
その様子を微笑ましく見ていた淋は、ふと気になったことがあってロストアイズに聞いた。
「そういや、都甲から聞いたんですけど、ロストさんって、実家はサーカス団だったんですよね？」
「ん？まあね。でも、大人に潰されてしまったよ。だから、練習する意味があるかって聞かれたら、私は無いって答えるな」
「ええー。それはそれで勿体ない気がするよ。だって、レブルに入る前で唯一楽しかったのが、ロストさんとこで見たサーカスだったからさ」
都甲は劇薬をロストアイズに進めようとするが、彼女はそれを手で制し、厨房から炭酸水を持ってきて、オレンジジュースと混ぜ合わせて飲んだ。
「お前も大概だな」
赤嶺がボソリと突っ込む。
「都甲のよりはマシだ。抹茶と牛乳ならともかく、ジュースなんて加えたら全人類が滅ぶ」
「ひどいなあ。自分なりにベストマッチだと思ってるのに」
都甲が残念そうに言うが、ロストアイズは動じなかった。
「それは仮面○イダービ○ドだけにしてくれ」
などという無駄なやり取りの後、ロストアイズは話を元に戻した。
「もしかしたら、私は囚われているのかもしれないな」
「何に？」
「夢にだよ。サーカスって、よく夢に例えられるのさ。かの有名な詩人、谷川俊太郎もそう書いている」
「へえー。ねえ、ロストさんは昔に戻りたいと思う？」
「昔、ねぇ…」
都甲から質問をぶつけられ、ロストアイズは考え込んだ。
そして、こういう結論に至った。
「戻りたいとは思わないな。確かにあの頃は楽しかったと思う。でも、それは終わってしまった。終わりが見える夢なんて、見ていたってしょうがないだろ？」
そう言うロストアイズの口元は、悲しそうに笑っていた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「そう、夢なんて醒めない方が良い…」
ロストアイズはアジトの屋上から夜の街を見下ろしていた。
その目には目隠しが巻かれておらず、深紅に冷たく輝く二つの瞳があった。
彼女は再び目隠しを巻き直すと、アジト内へと戻っていった。
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おバカな傀夢(プロフ) - 皆さん、上手くて凄く尊敬します！！え、もう。好きになっても良いですよね。 (2018年6月26日 21時) (
レス) id: 5ff30031ff (このIDを非表示/違反報告)
十二月三十一日(プロフ) - え、ウチの子がとても良い感じのクズ感。そして、ミルクさんとロストアイズさんがクールビューティ過ぎて好きです。 (2018年6月26日 21時) (レス) id: 70aae954fa (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 自然悦岫さん» 見てみます！ (2018年6月26日 6時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
自然悦岫(プロフ) - ドットコムさん» ありがとうございます。モデルにした谷川俊太郎さん作詞の合唱曲、「サーカス�機‘参宗縮粥廚鮴�非YouTubeで聞いてみてください。 (2018年6月25日 22時) (レス) id: 18ee1d3faa (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - ロストアイズさんカッコよ！！！！！！！ (2018年6月25日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
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