26話 ページ27
sideA
変な時間に起きたな……
翼を広げて部屋の天窓を開ける。
A『…』
大嫌いな翼。
私の身体と不釣り合いなこの翼。
A『もげてしまえばいいのに。』
庭の池を覗き込むとダディーと同じ黒い白目。
A『…シチロウの施しは凄いな……』
傷が跡形も無い。
｢こーら。｣
大きな手が私を阻む。
A『……ダディー…』
ヘルシャフト｢病み上がりちゃんは部屋で寝なさい。｣
むう……
大きな手に大きな身体、そしてそれを宙に浮かべる為の大きな羽。
A『アヴィに遺伝すれば良かったんだ。』
私よりも身体が大きいアヴィなら違和感なかったはずだ。
ヘルシャフト｢…そんなにボクの血が嫌？｣
そうではなく
A『似合ってないだろ。どう見ても。』
白い髪に黒い白目は印象に残るとはいえ
【似合ってないよ。気持ち悪い。】
その評価は酷かった。
A『…ダディーだってなんか言われてたんだろ？バビルスで。』
ヘルシャフト｢えー？言われたけど、基本ボコボコにして投げ飛ばしたけど？｣
わぁお……
ヘルシャフト｢容姿はどうにも出来ないしねぇ。｣
そうだけど……
A『……』
そういえば問題児クラスの奴らは変わりなく居たな…
ヘルシャフト｢仕事部屋に来る？｣
!!
ダディーの仕事部屋には普段見せてくれないぐらいの沢山の本がある！
A『行く！』
ヘルシャフト｢ママとアヴィには内緒ね？｣
別にバレても良いだろ。
A『分かった！』
ヘルシャフト(これで体調を崩してママに怒られるのは勘弁だ。)
？
A『ダディー、早く。』
ヘルシャフト｢はいはい。どーぞ。｣
わあ！
あ、これ。
A『昔の絵本だ。』
よくダディーが寝る前に見せてくれた飛び出すやつ。
A『ダディー！昔みたいに読んで！』
ヘルシャフト｢え〜。Aもうそんな歳じゃないでしょ。｣
そうだが。
何の躊躇いもなく膝の上に乗せられた。
A『？』
ヘルシャフト｢むかしむかし｣
なんだ、読むのか。
鬱陶しいくらいに頭を撫でるな…
そういえば、この本のラストは知らないな…
sideヘルシャフト
良かったー！寝たー！
窓がギシギシ鳴るくらいの風なんてそうそう吹かないから何事かと思ったけど。
Aは知らないだろうけど、この本には睡眠催促する魔法があるからね。
上手くいって良かった。
ヘルシャフト｢おやすみ。可愛いリトルレディー。｣
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刹那(プロフ) - カルエゴ先生大好きなのでこの作品を見つけられて嬉しいです。更新頑張ってください！ (2020年6月10日 10時) (
レス) id: c8d90afbad (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年5月10日 20時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
るに - 面白いです！これからも頑張ってください！ (2020年5月3日 6時) (レス) id: d1e4377471 (このIDを非表示/違反報告)
小夜子@元ペテン師(プロフ) - みゅーとさん» ありがとうございます！ (2020年4月27日 23時) (レス) id: 548ac281c0 (このIDを非表示/違反報告)
みゅーと - 面白いっすね、これからも更新がんばってくださいね (2020年4月27日 23時) (レス) id: c22a47d948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペテン師 | 作成日時：2020年4月11日 19時
