46 私のヒーロー ページ47
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どうしよう、エンデヴァー、ピンチだ……っ。
多分、個性を使いすぎて、体内に熱が籠ってきてしまっているのだろう。
今すぐ、エンデヴァーのところに行って、熱を吸収してあげたかった。
………私の個性は、高熱を一度に吸収しすぎると、自身の体がキャパオーバーになり、身体機能に酷く、影響を及ぼすらしい。そう医者から言われていた。
それでも…………それでもっ！
エンデヴァーを、
私の憧れを、
助けたい。
そう覚悟を決めた私は、赤い羽根をひたすらに探し、手で捕まえた。
『ホークスさんっ、聞こえてますよね！？マイルディです、私をエンデヴァーのところに連れてって……！！！個性で彼を、助けます！！！』
ホークスさんは、羽でも音を拾うことが出来る。
羽に向かって大声で叫ぶと、声が届いたのか、羽が手をすり抜け、私の襟元の後ろに入った。
体が浮き、空中を飛んでいるかのように動き始める。
お願い、早く、間に合って……っ！
『エンデヴァーっ！！！！』
ホークスさんの羽が、彼の元まで連れて行ってくれた。
脳無は少し離れたところで、ビルの上から辺りを見渡している。
エンデヴァーは瓦礫に埋もれ、身体はボロボロの状態だ。
「うっ…………。誰、だ……。」
『ごめんなさい、こんなことしか出来なくてっ、あなたを守れなくてっ……！』
彼の血だらけの頬に、両手でそっと触れる。
『あっつ……！』
分かってはいたが、有り得ないくらい熱い。炎の渦に自分から手を入れたような気分だった。
ジュゥゥッと触れた手から、熱を吸収する。
体が熱い。意識が朦朧としてきた。彼が顔を上げ、少し驚いた表情で私を見ている。
『みんなを、守って……わたしの、ヒーロー……。』
力を振り絞って、そう伝え、
彼から手を離し、意識を手放した。
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作者名：いるか | 作成日時：2020年6月17日 16時
