9.カルマの時間 ページ9
ちょっとだけ、とか言ってた割に渚くん先生についてめっちゃ詳しいじゃん…。
「ふーん、そうだ、くだらねーこと考えた」
そう言って、笑うカルマに大体何を考えているか察しが付いた。
何年私達一緒にいると思ってんの。
「カルマくん、次は何を企んでるの」
その言葉に少し、カルマの雰囲気が変わった。
「俺さぁ、嬉しいんだ。 …ただのモンスターならどうしようかと思ってたけど、
案外ちゃんとした先生で。 」
カルマの後ろを急行列車が通り抜ける。
「ちゃんとした先生を殺せるなんてさ。 前の先生は自分で勝手に死んじゃったから｣
カルマの傷はきっと、私よりも深い。
いつもと違う殺気めいた笑みを浮かべるカルマが
今にも消えてしまいそうに思えて、不安になる。
けれど、私にはこういうとき何て声を掛けていいのか分からなかった。
◇◇◇
『ねぇ、カルマ』
「何」
あの後渚くんと別れてから少しだけ、気まずいような空気が流れて、
何て話せばいいか分からなかった。
でも、これだけは言わせて。
『無茶、しないでね』
「んー」
カルマの気の抜けた返事に私はカルマがちゃんと話を聞いていたか
心配になったけど、もう何も言わなかった。
だって、言ったところで、カルマの傷は癒せないから。
◇◇◇
寝ても寝なくても朝は必ず来る。
嫌な予感を胸に学校に行く準備をする。
カルマの姿はなかった。
きっと、私よりも先に学校に行ったのだろう。
昨日言っていた"くだらないこと"というのが私よりも大事なのか、と少し悲しくなった。
初めて一人で行く学校。
もちろん行き方が分からないことはなかったが、
初めて一人で行くからか、いつもの通学路が違う道に見えた。
コンビニで気休めにでもなれば、とイチゴ煮オレを買う。
最初は、イチゴ煮オレが嫌いだった。
私には、甘すぎた。
けれど、少しでもカルマと近付きたくて、
毎日イチゴ煮オレを飲んだ結果飲めるようになった。
それでも、私は何も変われていない。
まあ、イチゴ煮オレ飲めただけで変われるなんて馬鹿なこと最初から思ってないけど。
『おはよ…う』
E組のドアを開けると途端に立ち込める生臭い匂いに気分が悪くなる。
教卓を見れば案の定タコがアイスピックに貫かれて死んでいた。
クラスの皆はまるで、お通夜のように暗かった。
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雪飴(プロフ) - りつ@鉛筆さん» ありがとうございますぅぅ！！！！！更新しないと…とは思ってるんですが、最近出来てなかったので今日こそは更新します！！更新分も読んでいただけると嬉しいです！！でも、いつも更新が夜中になっちゃうので結局今日というより、明日になっちゃうんですけど……(^^; (2020年3月31日 12時) (
レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
りつ@鉛筆(プロフ) - これ…好きやわ（確信） (2020年3月31日 11時) (レス) id: 026de477cb (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - コメントありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(アル,スト,刀剣,第五,ヒプ好き,��)(プロフ) - とてもストーリーがタイプで好きです！！頑張ってくださいね！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 0e478908d2 (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - いつでもコメント受け付けてます！コメントくれると嬉しいな（はーと） (2020年3月22日 6時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪飴 | 作成日時：2020年2月29日 17時
