46.帰りの時間 ページ46
「そーいや、あんた自分の席に戻らないわけ？もうそろそろ東京に入るわよ」
『うーん、もうちょっとここにいるー』
だって、今はカルマとも愛美ちゃんとも会うのなんか、気まずいし…
そう、なら勝手にしなさいと素っ気なく返された返事に少し寂しくなりながらもビッチ先生に抱き着いたまま手を離さない。
もちろん殺せんせーのお菓子をつまみ食いする手も止めない。
帰ったら、いつも通り接しないと…
そう思えば思う程、苦しくなる胸を私は見ないフリをする。
カルマには、幸せになってほしいから。
「あんたはまだ若いんだからそんなに難しい事考えなくていいのよ」
『え、』
突然のビッチ先生の声に驚くも、あぁそうか、この人は人心掌握術をマスターしているんだったと思い出す。
どういう意味だ、と目で訴えるも先生の口が開かれることは無かった。
＿＿＿＿＿
『ん〜！東京到着！！』
椚ヶ丘駅、と告げる車掌の声にどこか一株の寂しさを覚えながらも修学旅行は幕が閉じた。
「では、帰りと同様でここで解散ですね」
気を付けて帰ってくださいという殺せんせーに手を振って駅を出る。
隣にはカルマ、と愛美ちゃん
そして前には渚くんとカエデちゃん。
後ろには有希子ちゃんと杉野くん
カルマと愛美ちゃんに挟まれているのが気まずくて仕方がない。
でも、せっかく有希子ちゃんと杉野くん、そしてカエデちゃんと渚くんの距離が今よりも縮まりそうなのにそっちに話し掛けて邪魔するわけにもいかない。
けど、気まずい！！
しかも無言！！！
気まずさMAX！！
『あー…そういえば私ちょっと寄りたい所あるんだよねー…』
もうこれしか方法がない！！
お願いだから先に帰ってくれ。
「寄ってくれば？」
待ってる、と続けるカルマにこんな所で優しさ発揮すんなー！！と思わず頭を抱える。
『いやいやいや、待ってなくていいから！1人で帰れるし！！時間も掛かるし！！！ほら、早く帰りなよ！愛美ちゃんと一緒に！』
ぐいぐいとカルマの背中を押しながら念押しするように言えば納得していないような声をあげながらも渋々といった感じで頷いた。
『じゃーね！』
くるりと方向転換してカルマ達に向かって手を振って走り出す。
別に特に寄る所なんてなかったけれどああ言ってしまった手前手ぶらで帰る訳にもいかない。
どうしようかな、なんて思いつつ前を見れば目の前には本屋さん。
うん、参考書でも買って帰ろうかな。
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雪飴(プロフ) - りつ@鉛筆さん» ありがとうございますぅぅ！！！！！更新しないと…とは思ってるんですが、最近出来てなかったので今日こそは更新します！！更新分も読んでいただけると嬉しいです！！でも、いつも更新が夜中になっちゃうので結局今日というより、明日になっちゃうんですけど……(^^; (2020年3月31日 12時) (
レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
りつ@鉛筆(プロフ) - これ…好きやわ（確信） (2020年3月31日 11時) (レス) id: 026de477cb (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - コメントありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(アル,スト,刀剣,第五,ヒプ好き,��)(プロフ) - とてもストーリーがタイプで好きです！！頑張ってくださいね！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 0e478908d2 (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - いつでもコメント受け付けてます！コメントくれると嬉しいな（はーと） (2020年3月22日 6時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪飴 | 作成日時：2020年2月29日 17時
