運命だなんてありふれたこの世界で ［赤羽業］［暗殺教室］

34.旅行の時間 ページ34

波乱の中間テストが終われば、五月も下旬に差し掛かる。
そんな私達を待ち受けるのは、学生にとっての一大イベント…修学旅行！！


せんせーは、三年生も始まったばかりのこの時期に総決算の修学旅行とは片腹痛い、なんて言っていたけれど、どう見ても先生がクラスの中で一番ウキウキだった。


だいたい舞妓の格好しながら言うことじゃねーよ！！


…しかもちゃっかり修学旅行の荷造り完了させてるし。



「バレましたか…正直君達との旅行が楽しみで仕方ないのです」


照れたようにポリポリと頭を搔く殺せんせーに思わず頬が緩む。


「なーに嬉しそうな顔しちゃってんの」


『バ、バカルマ！見るな！』


ニヤニヤと悪魔的笑みを浮かべながら私を見るカルマから隠すように顔を手で覆う。


『べ、別に…行き先が京都だから、抹茶スイーツ楽しみにしてるだけだし…』


そう、修学旅行の行き先は京都！！
しかも2泊3日！


「ふーん？まぁ、たしかにA抹茶好きだもんね。
まぁ、いいよ。今はそういうことにしといてあげる」


『い、今は？』


「そ、今は」


企んでいるような言い方に頬が引き攣る。
そういうとこだぞ！赤羽業！！


「カルマくん、Aちゃん同じ班にならない？」


私達の会話に苦笑いしながら渚くんが私達を班に誘ってくれた。
当然のことだが即答する。


『もちろん！！！ね、カルマもいいよね！』


「ん？おっけ〜」


天使と同じ班だ！！
嬉しさのあまりガッツポーズを決めるとカルマが呆れたような目で見てきた。
解せぬ。

「えぇ〜、大丈夫かよ…カルマとA入れて…旅先で喧嘩売って問題になったりしねぇよな…」


杉野くんの不安気な顔にカルマと顔を見合わせてにやりと笑う。


「平気平気、旅先の喧嘩はちゃんと目撃者の口も封じるし、表沙汰にはならないよ」


そう言うカルマに合わせて私がカバンから口封じの為に撮った写真を出す。
ボコボコになった不良と目撃者の間に入り、肩を組んで笑うカルマの写真。
いざと言う時に使えるようにいつでも鞄の中に入れている。

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