29.支配者の時間 ページ29
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いつもより密度の濃い殺せんせーによるマンツーマンの個人授業を終えて今は家にいる。
今回の私の目標はカルマの点数を越すこと。
だからいつもより、頑張らなくちゃ。
『カールマ、数学教えて』
教科書を持って部屋のドアをノックする。
「いいよー」
軽い返事が聞こえて遠慮なく部屋にお邪魔する。
そしてカルマの机に教科書を置いた。
「で、どこが分かんないの？」
『んっとねー、ここ』
私が指をさした問題をカルマが覗き込む。
指にカルマの吐息がかかって心臓が、跳ねた。
『好き』
今まで箱の中に厳重に閉じ込めていた想いが水のように溢れて零れた。
「え？」
しまった、そう思ったときにはもう遅かった。
『あ、いや、その、やっぱりカルマのこと大好きだなーって改めて思って！』
あくまでも家族として"好き"。
そういうことに、する。今は。
「あっそ」
いつものように素っ気なく返事を返すカルマに安堵する。
まだ、この関係でいたいから。
この距離を保っていたい。
そうやって、いつもこの想いを蔑ろにしてきた。
本当は分かってる。そのまま時間が過ぎてカルマは他の
そして今も、これからも、いつまでも、指を咥えてそれをただ見ているだけの私。
それで、それでいい。
兄妹の間にそういう感情がある事は異常な事なのだから。
真剣な眼差しで説明をするカルマの横顔ばかり意識が行って、数学のことなんて全く頭に入らなかった。
「A、聞いてる？」
『え、あ、ごめん。聞いてなかった』
苦笑いをして軽く謝る。
やめよう、こんなこと考えるのは。
らしくない。
「何か悩み事？」
的確なその言葉にどきりとする。
今だけは…ううん、これからもこの想いにあなただけは気付かないで。
『ううん、何でもなーい』
いつものようにへらりと笑って勉強会を再開する。
いつの間にか、私の頭は数学のことでいっぱいになっていてカルマが寂しそうな目で私を見ていたことに気付かなかった。
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雪飴(プロフ) - りつ@鉛筆さん» ありがとうございますぅぅ！！！！！更新しないと…とは思ってるんですが、最近出来てなかったので今日こそは更新します！！更新分も読んでいただけると嬉しいです！！でも、いつも更新が夜中になっちゃうので結局今日というより、明日になっちゃうんですけど……(^^; (2020年3月31日 12時) (
レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
りつ@鉛筆(プロフ) - これ…好きやわ（確信） (2020年3月31日 11時) (レス) id: 026de477cb (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - コメントありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(アル,スト,刀剣,第五,ヒプ好き,��)(プロフ) - とてもストーリーがタイプで好きです！！頑張ってくださいね！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 0e478908d2 (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - いつでもコメント受け付けてます！コメントくれると嬉しいな（はーと） (2020年3月22日 6時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪飴 | 作成日時：2020年2月29日 17時
