17.毒の時間 ページ17
「…真顔になった…」
「変化の方向性が見えねぇよ…」
「てか、先生真顔うっす！」
「顔文字みてぇだな…」
毒が効かないことが判明し落胆しながらもどこか安心している自分がいた。
(そりゃそうだよ。そんな簡単に死なれたら面白くないもんね)
先生が奥田さんに放課後に一緒に先生を殺す毒薬を研究しようと持ち掛けるのを横目に飲み干したサバ煮オレのパックを潰した。
次の日の朝、理論上は完璧だという毒が入ったフラスコを笑顔で奥田さんが持っていた。
(いやいや、笑顔で毒の入ったフラスコを持つ中学生とか怖すぎだから…！！)
「きっと、私を応援してくれているんです！国語なんて分からなくても私の長所を伸ばせば良いって！」
奥田さんのその言葉で気付いた。
これもきっと先生の"手入れ"だ。
ガララ、と引き戸を開けて入ってきた殺せんせーに、フラスコを抱えた奥田さんが駆け寄っていく。
「先生！これ…」
「おや、さすがです」
殺せんせーがフラスコの栓を外す。
「では、早速いただきます」
戸惑いなく自らの触手によって口の中に注がれる毒薬らしき液体にどうなるのだろうと、クラスの空気が不安と期待で満ちていた。
ドクリと先生の顔に血管のようなものが浮き出たかと思うと、それはあっという間に全身に広がっていく。
何気なく眺めていたクラスの皆も、私も殺せんせーの異常を感じ、ビキビキと音を立てながら形状を変化させていく殺せんせーへと視線が集まる。
「ありがとう、奥田さん。君の薬のおかげで……
先生は新たなステージへ進めそうです」
「それって…どういう……」
奥田さんの震えた小さな声がやけに静かな教室に響いた。
ゴゴゴ、と地鳴りがしたと思ったら殺せんせーの不気味な笑い声が雄叫びに変わり、突風が起こる。
慌てて身を守るように顔を腕で覆った。
突風が収まり、そろりと腕を退ける。
「ふぅ」
間の抜けた声がしたと思ったら…
「「「溶けた！！？」」」
殺せんせーが液状化していた！
「君に作ってもらったのはね…先生の細胞を活性化させて流動性を増す薬なのです」
そう言うと液状化した殺せんせーが瞬く間に片岡さんの机の引き出しの中に。
「液状化ゆえにどんな隙間でも入り込むことが可能に…しかもスピードはそのままに！」
教室中をマッハ20で動き回る殺せんせーと飛び交う対先生BB弾に悲鳴が起こる。
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雪飴(プロフ) - りつ@鉛筆さん» ありがとうございますぅぅ！！！！！更新しないと…とは思ってるんですが、最近出来てなかったので今日こそは更新します！！更新分も読んでいただけると嬉しいです！！でも、いつも更新が夜中になっちゃうので結局今日というより、明日になっちゃうんですけど……(^^; (2020年3月31日 12時) (
レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
りつ@鉛筆(プロフ) - これ…好きやわ（確信） (2020年3月31日 11時) (レス) id: 026de477cb (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - コメントありがとうございます！！頑張ります！！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
無花果(アル,スト,刀剣,第五,ヒプ好き,��)(プロフ) - とてもストーリーがタイプで好きです！！頑張ってくださいね！ (2020年3月22日 20時) (レス) id: 0e478908d2 (このIDを非表示/違反報告)
雪飴(プロフ) - いつでもコメント受け付けてます！コメントくれると嬉しいな（はーと） (2020年3月22日 6時) (レス) id: 5a5d675a95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪飴 | 作成日時：2020年2月29日 17時
