享年28歳未婚ハイスペック社会人（女）の生まれ変わった先が名探偵コナンの世界だったので前世からの親友ととりあえずがんばる［1］

33.なんだかちょっと不穏な雰囲気…？ ページ33

勉強道具を広げると、今日は仕事が休みらしい父がジュースとおやつを持ってきてくれた。

勝臣「相変わらず勉強熱心だな。ほう、今日は生物学か。」

A「…ああ、うん！私生物苦手だからさ。イチに教えてもらうの！」

一乃「別に私も得意ってわけじゃないんだけどね。」

勝臣「そう言う割には、だいぶ難しそうな教材に見えるが…。」

パラパラと教科書を本を流し読みする父。

確かに大学で専攻してるレベルなんだけど、中高の内容は大体頭に入っちゃってるんだよね。


勝臣「…君達は一体何を目指してるんだ？」

少し怪訝そうな顔をした父は本を閉じそう聞いた。
内容が理解できなかったのか、それともこの内容を理解する私達が理解できなかったのか。まあ、きっと後者だろうな。

一乃「警察！警察になるの！」

勝臣「…警察。」

父は眉を顰(しか)めて驚いた表情をしたあと、ふっと笑って「そうか」と言った。

勝臣「Aもか？」

A「ん〜、私はまだ決めてない。」

一乃「え？うそ？！」

一緒だと思い込んでた〜！と笑うイチ。

A「ふふ、けどイチと一緒ならいいかもね。考えておくよ。」

確かに格好いいし憧れるけど、格好いい"だけ"が警察官じゃないから私はすぐには決められないな。

勝臣「それだけのスキルがあれば、君達2人は何にだってなれるだろう。あまり焦らずにじっくり決めると良い。」

A「うん、そうする。ありがとう。」

勝臣「…にしても、警察か。それなら護身の稽古をもう少し厳しくした方がいいだろうな。」

A・一乃「「げっ…。」」


話しながら父を観察する。

表情も仕草も特に変わったところはない。いつもの父だ。
いや、私達に対しての態度がいきなり変化するのもおかしいんだけれど。


さっきの写真に写った人物を私は知っていた。
見間違いではないはずだ。

…職種によっては仕事で関わることもあるだろうし、疑ってしまうにはまだ証拠が乏しいようにも思える。


一乃「…A、どうした？」

父が部屋から出た後、私の様子に気付いてイチがそう聞いてきた。

A「ん？いや、大丈夫。」

一乃「うっそだ〜！何か考え込んでたじゃん。」

A「気のせい気のせい！さ、はじめよ〜！」

一乃「ん〜…まあ、大した事じゃないんならいいけどさあ…。」

納得して無さそうな表情のイチを押し切り勉強会を始める。

ごめんイチ、まだ言えない。
確証を得られたら必ず話すから待ってて。




勝臣「……警察、か。」

34.阿笠博士の開発したメカを見せてもらうのが夢です。→←32.あっという間に過ぎ去る時間。タイちゃんはバスケを始めたらしいよ。

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