【オリBL】勉強科目を擬人化してみた。【短編集】

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ピッ…ピッ

ロッカーの外から聞こえる電子音の2倍ぐらい速い俺の心音。


「っ…ぁ」

そして樹の吐息混じりの呼吸音が体を内側から熱していく。








落ち着け…俺。
なんでこんなにドキドキするんだ?
…樹の匂いがする。

いい匂いだなぁって何考えてんだあああ!









ピ









音が止まった?
そう思っていると、音が一直線に俺たちの元へやってくるのがわかってしまった。

「ひっ」

ぞっとした。
自分で作っておきながら、自分で覚えるなんて、格好悪いけど…








頭が恐怖でいっぱいになった時、唇に柔らかい感触を感じた。

「っ〜」

俺の唇を探るように絡みつくキス。

こんな…こんな、の!

でも声も音も出せないから、受け入れるしかない。
脳みそがぐちゃぐちゃに解けるような感覚。

でも、その確かな樹の温かさにひどく安心する俺がいたのも事実だ。


「いつ、き…」









・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・






「で?僕に言う事は?」

「迷惑かけてすみませんでした」

俺とロボは一緒に正座する。




あの後、ロボが幸いにも電池切れを起こし、停止したのだ。そして、少し物理的に処理する(殴る)と、あっけなく正常に戻ったのだ。









「ほんとあんたといると、忙しくなる」

「この件は本当に申し訳ないです…」

被害はと言うと、生物教室の扉だ。ベコベコになっていた。



「まぁ、いいよ。今回は」

「え?」

「いいもの見れたしね…たださぁ、1つお願いがあるんだけど」

「だよなぁ」

この腹黒さんがただで何かを済ますと言う事はまずない。


「たださ、誰かさんのせいで、ちょっとおかしくなっちゃってさぁ?もう限界だから…」

「え、ちょ、待て…」

「次は俊にどうにかしてもらいたいなぁ」

そう言って覆いかぶさってきた樹を止めることができない。






「それに、俊にとってもいいんじゃない?僕も足でやっちゃったこと、責任取るよ」

「じょ、冗談だろ?…ゃあ、あっ!?」








「弁償ってなら、それなりに高くつくよね?」

また脳が溶け始めた。








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