【マギ】ルフとの絆。─第3弾─ (ページ9)

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109話ページ9

「ジュダル……？」
地面に横たわってピクリとも動かない。
ウーゴはカアアッと両手に熱をまとった。

「まずいっ全員逃げろ！！」
シンドバッドはウーゴのやろうとしていることを察したのか、避難を催促する。

「やり過ぎはよくないって……っ！」

私は杖を持っている腕をあげた。
このままじゃ近くにいる人達にも被害が加わる、それは避けなければ。

「『見えない翼(フールウイング)』」
私がそう唱えると霧の団の人達の体がふわりと浮き、安全な場所へ着地した。

ウーゴは両手を降り下ろす。

ドオンッ！！！
と、爆音が聞こえ、地面に大きな穴があく。
ウーゴの熱魔法、か。

「あらあら。なんなのぉ？あの化け物は……。随分と私たちのかわいいジュダルちゃんをいじめてくれたみたいじゃない？」

上を見上げると、大きな絨毯が浮かんでいた。

あ、あれは……。

「……紅玉じゃん！！」
「あら、Aちゃんじゃない！！会えて嬉しいわぁ」

《煌》と大きく書かれた絨毯の上には、紅玉と夏黄文とジュダルを抱えている人物が乗っていた。
紅玉は私に向かって可愛らしい笑顔を振る舞う。

「間一髪助けることができましたね」
夏黄文が紅玉に向かって言う。

「でも、大ケガしてるわぁ……夏黄文、ジュダルちゃんをちゃんと治しなさいよ。死んだら一大事よ」
「わかっておりますよ姫君。彼は我々の大切な『神官殿』なのですからね」

ジュダルは生きてたのか……。
内心ホッとしながらウーゴの方を見ると、先程と同じように両手に熱をまとっていた。

ッ！？まだやる気なの！？

「何よぉ、まだやる気なのあの化け物。じゃあ私(わたくし)が相手になるわよ」
「お気を付け下さいね、姫君。」
「大丈夫、任せて。あなたは治療をお願いねぇ」

紅玉は簪(かんざし)を手に持ち、ある言葉を唱え始めた。