【マギ】ルフとの絆。─第3弾─ (ページ38)

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138話ページ38

謝肉祭の翌日。

「ふわあ……」
私は起き上がって、欠伸をひとつする。
眠りすぎたかな、とぼんやりと思考を巡らせながらまたベットに横になった。

すると、ふと感じる違和感。

「ん……っ？」
何故だろうか、何か背中に当たっている気がする。

違和感の正体を探るために、寝返りをうち睡魔に負けそうな目を擦る。

段々と視界が鮮明になると、見えてきたのは人影。
それも大柄の。

「な、何で……？」

思わず呟く。
私のベットで眠っていたのはこの国の国王、シンドバッドでした。

嘘だろ。
冷静に、冷静になるんだA。
感情に任せてシンドバッドの顔面を殴ってしまったりしては、私の立場が無い。
仮にもコイツは、この国の王なのだから。

「起こすか……」

とりあえずシンドバッドを起こして理由(わけ)を聞こう。
それから、ジャーファルにでも叱ってもらおう。

私はそう考えて、シンドバッドの胸板を叩く。
それにしても何でコイツは裸なんだよ。

私の服は乱れてないから何も無かったと思うけど……。

何度か胸板を叩くと、シンドバッドはピクリと手を動かした。
あ、起きたかな。

と、安堵のため息をつこうとした途端──

「わっ！！！」

シンドバッドに腕を引かれた。

必然的に私の姿勢は崩れ、シンドバッドに倒れる体制になってしまう。
反射的に離れようとすると、シンドバッドの腕が私の背中に回り、完全に私は捕獲された。

「何でこんなことに……」
完全に油断していた。
というか、眠たくて頭がまわらなかった。
っていうかコイツまだ寝てんの！？

シンドバッドの胸あたりに両手を起き、思いきり力を入れてみるが、ビクともしない。

魔法使えるようになってから、身体能力下がったからなー……。
私の腕力は今や完全に普通の女の子ほどしかない。

とりあえず杖があればこんな状況、一瞬にして打破できる。
そう考え、近くに置いてある杖に手を伸ばすが、ギリギリのところで届かなかった。

「マジかー」

私はもうどうすれば良いんだ。

「シンドバッドー！起きてー！」
シンドバッドの耳元で少し大きめの声でモーニングコールするが、少しも起きる気配がしない。

あ、そろそろこの体制も疲れてきた。
それに息苦しい。

誰かに助けを求めたいことだが、こんなところを誰かに見られてしまったら色々な勘違いをされるだろう。

それだけは嫌だ、絶対に。