【マギ】ルフとの絆。─第3弾─ (ページ31)

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131話ページ31

数週間後。

アラジンはヤムライハという魔法使いの人に魔法を教えてもらっており、アリババはシンドバッドの所へ行ってしまった。

そして暇になった私はシンドリアの町中をブラブラしている。

「今日も海は綺麗だねー」
化学の発展したあの世界では決して綺麗とは言えなかったから嬉しい。

自然が綺麗って良いよねー。

なんて思いながらほのぼのと海を見ていると、突如海から物凄くでかい何かの生物が現れる。

「アバレウツボだ！」
「アバレウツボが出たぞ！！」
そう叫ぶ住民の声。

でっか！？ウツボって言ってるからウツボだよね！？

「なんてこった……」
「今夜は……」
住民の人の顔を歪ませたと思うと、一瞬で切り替わり──満開の笑顔を見せた。

ん！？！？

「祭りだ！！！」
「半年ぶりの祭りだぞ！」
「早く王宮に伝令を！！」

何が起こっているのか全然理解できない。

え、この魚もしかして倒しちゃダメなの！？
どうなってんのこの国は！？

「A！！」
よく聞き慣れた声に呼ばれたので振り向くと、驚きを隠せ切れていない表情のアリババがいた。

「アリババ！これどういう事！？」
私が疑問をぶつけると、アリババに「俺にも分かんねえよ！！」と返される。

「アリババくん！Aさん！」
またもや呼ばれて振り返るとアラジンとモルジアナがいた。

「やあ、ヤムライハおねいさんが『狩りだから』って兵士の人に召集さらて、僕も見に行くようにと言われたのさ」
「「『狩り』ぃ！？」」

まさかあの魚を狩るってことじゃ……。
なんて考えを過らせるとドーンドーンと太鼓のような音が遠くから聞こえてくる。

「来たぞ！！我らが王と、『八人将』たちが！！」
住民の誰かがそう叫び、現れる8人の人物とシンドバッド。

「今日の獲物はお前の剣で仕留めろ、シャルルカン！！」
シンドバッドの言葉に応えたのは、剣を持った白髪の男の人だった。

あ、あの人ってこの前、私を敵と勘違いして剣を向けた人だ。

「仰せのままに、王よ！こっちだでかぶつ！」

シュッ、と飛び上がり魚の頭を目掛けて剣を振る。
「眷属器『流閃剣(フォラーズ・サイカ)』！！！」

一撃で魚の首を切り落とし、それから腹開き、内蔵、背骨、腹骨……と切り分けていき、魚を綺麗に盛り付けた。

「解体完了！皆で仲良く分けてくれよな！」
にっこりと笑い、シャルルカンは皆に笑顔を振り撒いた。