【マギ】ルフとの絆。─第3弾─ (ページ11)

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111話ページ11

「この子は私(わたくし)が片付けるわ。そのゴミたちは3人で皆殺しよ！！」
紅玉がそう言うと、暴れだす3人(匹？)。

「やっぱり面倒なことに……」
私は重力魔法で飛んで、霧の団を上から眺める形になる。
高みの見物ってやつだね。

すると象の様な体格をした生物が、霧の団の数人をその長い鼻で倒した。

「止めろマスルール！！」
シンドバッドの声が聞こえて象を止めるマスルール。が、それに反抗して象は突進しようとする。

ファナリスと力が互角……。
すごいなあの怪物。

一方、紅玉の方に視線をやると、魔装をしようと呪文を唱えている場面だった。

「『悲哀(ひあい)と隔絶(かくぜつ)の精霊(せいれい)よ、

汝(なんじ)に命(めい)ず、我(わ)が身(み)に纏(まと)え
我(わ)が身(み)に宿(やど)れ、

我(わ)が身(み)を大(おお)いなる魔神(まじん)と化(か)せ──ヴィネア！！』」

そして体の半分以上が魔装に包まれた時、紅玉の腕を誰かが掴んだ。

「やめてくれ、お嬢さん！」
捕まれた腕から魔装が溶け、紅玉の体は戻る。

「な、何……！？」
「お嬢さんは、煌帝国の姫君とお見受けしたが」
「……あ、あなた誰……！？」

紅玉にそう問いかけられた人物は、真剣な眼差しで紅玉を見つめながら言った。

「私はシンドバッド。シンドリア国王シンドバッドだ」

──シンドバッドがそう言った瞬間、紅玉の頬が赤く染まる。
「あ、あなたがあのシンドバッド王……？」

……紅玉？

「いっ、いつまでにぎってんのよ無礼者！」
シンドバッドに握られてた手を見て、手を離す紅玉。

「失礼、姫君。ただ、私は貴女を止めなくてはならない。
お互い立場のある身分、こんな所で争うべきではありません」

ふわりふわりと宙に浮きながらシンドバッドの声を聞く。

「だ、だってあの子が！」
紅玉は杖の周りにマゴイを溜めているアラジンを指差した。

「アラジン、君もここは杖を収めてくれないか？大丈夫だ、『ジン』はこの程度じゃ死なない。君の友人はまだ生きている」
シンドバッドに続く様に、私も言った。

「アラジン、紅玉。私も二人が争い合っている所は見たくないな。二人とも、私の大切な友達だもん」

二人に、ね？と首を傾げると、アラジンは杖をゆっくりと下ろした。

シンドバッドはそれを見て、再び紅玉の方へ向く。