28話 ページ28
塔に着いた。
塔にも大きな扉があって、アラジンが例の言葉で扉を開ける。
中に入ってみると、そこには乱雑に置かれた物が山のようになっていた。
「宝物庫っていうより……物置きって感じかな?」
私は、そう呟いた。
塔の中にある物を手に持って見てみるけど、全部石で出来たものだった。
どこからどう見ても宝になりそうなものではない。
ここは『宝物庫』じゃないってことかな?
「仕方ねぇ……他をあたろう!まだ建物はいっぱいあるさ!とりあえず外に出ようぜ」
私と同じような事を考えたみたいで、アリババは外に出ようとする。
すると、扉の前に大柄な人が現れた。
「ちくしょう、てめぇやる気か!?」
少し後ろに下がって短剣を出し構えるアリババ。
だがそれをアラジンが止める。
「待ってアリババくん!この人……もう……」
アラジンの言葉の途中で、大柄の男は倒れた。
男の足には鎖がついてあり、私は領主のドレイだと推測する。
「ひどい……この人、前が焼けただれちゃってるよ」
アラジンが男の体を見てそう言う。
でも、それより私が気になったのは、背中一面の刺し傷。
もしかしてこれって領主がやったんじゃ──。
その時。
ドゴッという音と共にアラジンは塔の奥へと飛んでいく。
前を見ると主と赤、い髪の少女が着地している姿があり、私はこの少女がアラジンを攻撃したんだと理解した。
「てめぇ……」
アリババは剣を構え、二人を睨み付ける。
「下民が……誰に口をきいている……」
領主がなんだかおかしい様子で、そう言った。
「下民も領主もここまで来たら関係ねーよ!この盗っ人が。まずはアラジンの笛返せよ!話はそれからだ!!」
アリババの言葉に領主の体はピクリと揺れる。
「げ……下民が僕に……はなし……ふ……ふざけんじゃねぇよ…………弱くて……下品で……無能な!!生きてる価値もねえゴミ人間のくせによぉ!!」
その言葉特大ブーメランだね。
そう思って口角を少しだけ上げると、少女は私に攻撃をしかけてきた。
私は少女の蹴りを腕で受け止める。
思ったよりも衝撃は強く、顔をしかめるが冷静さは失わない。
あくまでも冷静に、状況を把握し、一瞬の隙を見逃さずその隙につけこむ!!
「な……っ!?」
自らの蹴りが受け止められると思っていなかったのか、驚く少女。
「あはは、こういうのを待ってたんだよ、私はね」
私は余裕そうに微笑んで、剣を鞘から抜いた。
内心は、ビビりまくりなんだけどね……?
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seravb1128(プロフ) - 初めまして!マギは漫画、アニメどちらとも大好きで見ています!小説もとっても面白かったです! (2016年11月22日 12時) (レス) id: 311793e34a (このIDを非表示/違反報告)
タカの鳥(プロフ) - 中学生なのに暇人さん» よ.宜しくお願いします!!!!!!!!!!!!! (2015年5月9日 22時) (レス) id: 246847fbfb (このIDを非表示/違反報告)
中学生なのに暇人(プロフ) - タカの鳥さん» そう言ってもらえて嬉しいです!分かりました、読ませていただきます! (2015年5月9日 22時) (レス) id: 67102bbaea (このIDを非表示/違反報告)
タカの鳥(プロフ) - マギ凄く好きなので毎回楽しく読ませて貰ってます!私初めて小説を書いたんですが読んでいただけませんか? (2015年2月27日 18時) (レス) id: 246847fbfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中学生なのに暇人 | 作成日時:2014年2月1日 23時