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os「なぁ、大先生なんかさ、婚約破棄しちゃって俺と婚約結び直さん?」
「……え」
声が出なくなる。
天鵞絨が今まで見たことないくらい真剣だったから?
違う。
それだけならきっとすぐにでも了承していたのだ。私と婚姻関係を結んでいる鬱様に申し訳無い気持ちだけだったら、それならと同意していたかもしれない。
でも、不自然にかちゃ、と無機質な音を立てた扉の先には、あの嫌いで仕方の無い青藍が立っていたんだ。
言葉を聞いたのかは知らない。私を見て、少し怪訝な顔をした彼は私がいなかった体で喋りだした。
ut「マンちゃーん、書類のミス見てもろてもええ?」
os「ん、ええよー。Aちゃん、ケーキ食べて待っとって?」
それに乗って、オスマン様も先程までの真剣な色を消していつもの調子で、鬱様が手招く扉の外へ。狂ってるのは私一人だけだった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
がちゃり、と扉がしまったのをみて、彼は拳銃を取り出し俺の心臓へ押し当てた。
「それはいくらなんでも許せんなぁ、」
「あ、聞こえとったん?…でもあんなに辛そうにしてんで、あーあ。」
怒りに燃える海はまるで嵐のよう。奥に見えるのは狂気の渦。どうやら彼の地雷に触れてしまったようだった。ぐい、と先程より強く押し当てられる拳銃。
「俺の女とるとかマンちゃんでも殺してまうかもなぁ」
「“俺の女、”ねぇ?大先生もだいぶSよなぁ、俺やったらそんな可哀想な事せんのに。」
「それがええんやろ。俺の手で狂っていくAちゃんが、嫉妬と怒りと無関心で燃えるあの目が、最高に可愛くて愛おしくて好きやねん。……婚約者、っていう微妙な距離でいる間に最高に狂わせたいねん、邪魔すんな。」
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