第412話 カカシside ページ23
目の前で崩れ落ちていくAの姿は、前髪の隙間からでもしっかりと捉えられた。
体力の限界だったが、顔を上げるのもやっとだったが、それでもあいつの顔ははっきりとこの目に映った。
"カカシさん、大丈夫ですよ"
最後の力を振り絞ってそう言いながら、あいつは少し笑っていた。
そして次の瞬間には、その体は力なくその場へと倒れ込んだ。
...なあA、教えてくれよ。一体何がそんなに大丈夫なんだ。
たった今目の前でお前をなくした今、一体俺のどこが大丈夫なんだ。
嫌だ。辞めてくれ。逝かないでくれ。
「...ゼェ....ハァ.....」
あいつの名前を叫びたいのに。今すぐそばへ行きたいのに。
どれだけ足掻きもがいても、声も体も動かない。
やっとまた巡り会えたんだ。
オレの元へ戻ってきてくれたばかりなんだ。
もう二度と傷つけないと、守り通すと約束したんだ。
何度奇跡を重ねても、何度奇跡を願っても、
今度こそAを失えば、きっともう二度と会えなくなる。
そんなこと、どこかで分かり切っていた。
...なのに...それなのにまたオレは.....。
「.....ック.....ッ.....!」
大切な人を、守れなかった。
目の前で1ミリたりとも動くことなく眠っているAを見つめる。
...なぁ.....頼むよ.....頼むから.....
「.....ッ...」
お前まで...そっちに逝かないでくれ.......。
気がつけばペインは何処かへと去っていき、その場に残されたのはオレたちと、残るはペインと共にいたもう1人の暁のメンバーの死体のみとなった。
「.......ッ.....A.....!」
「.....!」
...そうだ.....まだ戦いは終わっていない.....まだ...あいつの仇をとる方法は残っている.....。
「...チョウジ.....」
「.....!カカシ先生.....!!」
...頼む...チョウジ.....チョウザさんの為にも.....Aの為にも.....
「まだ...動けるなら...ペインの能力を.....綱手様へ報告してくれ.....」
どうか、最後まで.....
「チョウザさんの犠牲を...Aの犠牲を無駄にするな!」
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色葉(プロフ) - 神崎さん» ありがたいお言葉ありがとうございます!嬉しいです!!ご期待に添えられるよう精一杯頑張ります!! (2019年8月20日 20時) (レス) id: 213181a4fa (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - いつも更新楽しみにしおります!!今回もとても良いところ終わってて、続きが気になります!!更新楽しみにしております!! (2019年8月20日 14時) (レス) id: 6552b63e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:色葉 | 作成日時:2019年7月18日 14時