第357話 ページ8
『.....った...』
ふと目が覚め、激しく痛む後頭部を気遣いながらもゆっくりと起き上がる。
しかしあたりは真っ暗で何も見えない。焦る気持ちを抑えながら冷静に出来事を思い出す。
...どこだここ...私どうしたんだっけ.....。
...そうだ、確か家に帰ったあと急に誰かに襲われたんだ...反撃したけど不意をつかれて...それから.....攫われたって感じか？
...あ、そういやどっか運ばれてたな。途中で気付いた時にこっそりネックレス落としといたけど...誰か気づいてますように...。
「気が付いたか」
『！』
すると突然どこかから声が聞こえた。驚き、身構える。いつもクナイを忍ばせている場所にそっと手をやるが、そこには何も無い。どうやら手持ちの忍具は全て取られてしまったようだ。
「あぁ、悪いが忍具は全て没収させて貰ったよ。暴れらでもしたら困るからねぇ」
『.......』
未だに相手の姿は見えない。周りに気を配りながらも違和感のある手首と足首に触れてみる。
...手錠か。警察官が使ってる感じのタイプのやつ。なら多少の身動きは取れそうだな。
「所で...突然こんな所に連れてきてしまって申し訳ないねぇ...私の部下が随分と乱暴にしたみたいで」
するとその途端、カッと目の前が光る。あまりの眩しさに思わず目を瞑った。
「はっはっ...まあ安心してくれよ。これ以上君の体に負担をかける訳には行かないからねぇ...丁寧に扱うよう伝えておくよ」
ありきたな悪役のセリフを吐くその声に少しイライラしながらも、眩しさになれた目をゆっくりと開ける。
私はまず自分の状況を確認した。手と足にはやはり手錠と足枷。周りに牢屋のようなものは見えない...広い空間の一部にポツンと私は座っていた。
...随分と無防備だな。
続いて目の前で先程からペラペラと喋り続けている人物に目を向けた。
「初めまして。名乗る程の者ではないが、一応名乗っておこうかな...私はボネラー...君の救世主さ」
そう言って両手を広げ、私に向けて微笑んできたボネラーという太った男。
...正直あまり宜しくないビジュアルをしていた。
『...ぶっさ.....』
「失礼な！！」
...うわーしかもアホだわこいつ。
「まあいい...話は逸れたが...」
『分かった。じゃあもう帰っていい？』
「まだ何も言っとらん！！...まあ私は心が広いからな...許してやる。早速本題に入るとしよう...
...君、元の世界に戻りたくはないかい？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 769人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
色葉(プロフ) - アイさん» 申し訳ございません、質問の内容がよく理解できず、お答えしかねますmmまたアイさんの創作活動に私が手を加えることも、アイさんの考えているお話に水を指すことになる為今後控えさせて頂きたいです。創作活動のご成功をお祈り致します！ (2020年11月21日 11時) (
レス) id: 93c4cf3f0f (このIDを非表示/違反報告)
アイ(プロフ) - 色葉さん» ボードでナルトの双子の妹の設定を教えてくださいませんか？お願いします！m(_ _)m本名と偽名もお願いします！m(_ _)m (2020年11月21日 8時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
色葉(プロフ) - なーなー@今日俺さん» そうなんですか！私もたまに聞いてます笑喜んでいただけて何よりです^^ (2019年5月7日 22時) (レス) id: 885b51bfb8 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー@今日俺(プロフ) - 色葉さん» これ最近ようつべで見つけてからずっと聞いてるんですよ(笑) ここに書いてあってとても嬉しいです！！ (2019年5月7日 6時) (レス) id: 17dfab9de5 (このIDを非表示/違反報告)
色葉(プロフ) - なーなー@今日俺さん» そうですよ！貴方解剖学です笑 (2019年5月6日 11時) (レス) id: 885b51bfb8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：色葉 | 作成日時：2019年2月9日 18時
