【NARUTO】共に生きる11【はたけカカシ】

第379話 ページ30

ふと目が覚めた。


外からは甲高い小鳥のさえずりが聞こえる。


「.......」


あたりを見渡すと全く見なれていない新居の部屋。壁はとても綺麗な白、少し視線をずらせばミニテーブルと椅子のセット。それ以外はダンボールしか無かった。


「.......よしっ」


喝を入れ布団から起き上がる。今日もこの大量のダンボールを解体していかねば。


あれ以来、私は今まで住んでいた部屋を引っ越すことになった。なんでかと言うと理由はひとつ。例の忍たちのおかげで私の部屋はとてもじゃないが住める状況では無くなってしまった為である。


壁はボロボロ、私が反撃した時の相手の血痕はべっとり。いくら擦っても落ちやしねえ。


大家さんも事情が事情なので流石に目を瞑ってくれたが、かと言ってそのままその部屋に住めるはずもなく...仕方なく私は今のこの新しい部屋に引っ越してきたのだ。ちなみに距離的には前の部屋からそんなに離れてはいない。


正直誰かにお手伝いを願いたいところだが...あいにくこの時期は皆修行で忙しいらしかった。


そりゃそうか...暁が動き始めてるもんね。


...となると私がやることはただ一つ、一刻も早くこの部屋を片付け少しでも戦力の足しになるよう修行をすること.....なんだけど...


「ぜんっっっぜん終わらねぇ〜〜〜！！」


なぜ！？なぜ前の部屋では入り切っいた服達が今はこのカラーボックスに入らない！？なぜハンガーが足りない！？なぜゴミ箱がない！！？！？


「やっぱ色々買いに行かなきゃだなー.....あっ」


...いいこと思いついた。これ影分身使えばいんじゃね？


そうだよ！なんでこんないいこともっと早く思いつかなかったんだろ！やっぱ天才だな〜私って！

また本当はこんなことに忍術使っちゃいけないんだけど...致し方あるまい。緊急事態だ。


「ってことで早速.....影分身の術！」







.......。









「.....あれっ？」


いつも通り印を組んで術を発動させる。しかし何も起こらなかった。


あ...あれ？なんでだろう、おかしいな...久しぶりだからか？


「も、もっかい...！影分身の術！」


...しかし何も起こらない。


「影分身の術！影分身の術！さっさと出ろよ影分身ッ！！」


そう叫んでみるものの相変わらず何も起こらない。シーンとした音だけが部屋に響いた。


その瞬間、私の顔は一気に青ざめる。


「...え...うそ.....」


...この結果から考えられる答えはたったひとつ。


「...私.....忍術使えない.....？」

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