【NARUTO】共に生きる 5【はたけカカシ】

第161話 ページ32

今私達が感じ取っているチャクラがナルトの物だというと、驚いて一瞬眼を見開いた二人。しかしサクラはそれが納得いかないようで、即座に私に問い詰める。


「ち…ちょっと！そんなわけないじゃない！だってあのナルトよ！？なんでこれがナルトのだなんて断言できるのよ！？仮にそうだとしても、どうしてナルトがこんなに凄いチャクラなんか持ってるのよ！？」

『分かんないよそんなこと！…でも、何となくそんな感じがする…』

「な、なによ…それ……」


珍しく私がサクラに対して、つい感情的な態度をとってしまったことに少々驚いたのか、サクラはそれ以上は何も言ってこなかった。…ごめんサクラ。


…でも多分、いや絶対にこのチャクラはナルトのもので間違いない。いや、"ナルトのもの"じゃないな。正確に言えば、"ナルトの中に居る九尾のもの"か。

たしか原作でもこの時に九尾の力で強くなって…それで確か、白となんやかんやあったはず。


…ってことはつまり、もうすぐ白が……


『…死んじゃうのか』

「えっ？」



…嫌だ。



『………嫌…そんなの嫌だ……』

「ち、ちょっとA？急にどうし……！」

『…ねぇサクラ……私はさぁ……



私は一体、どうすればいいんだろうね？』


気がつけば両目から涙がぼろぼろとこぼれていた。それが止まる気配は無くて、ただただ私は半笑いで泣き続ける。


ああ、駄目だ。もういろんな感情が入り混じっちゃって、何だかおかしくなっちゃった。


嫌。嫌だ。死んでほしくない。白に死んでほしくなんか無い。ほんとはあんなに良い子なのに。何で白が死ななきゃなんないの？嫌だよそんなの。絶対に嫌だ。君には十分、君の大好きな再不斬と、ずっと幸せに生きていく権利があるってのに。


…助けたい。出来ることならこれから自らの命を犠牲に、死に行く白のことを死に物狂いで助けにいきたい。止めてやりたい。

でも駄目なんだ…何があっても、絶対に原作は変えちゃいけない。それは分かってるんだけど……




…でも、やっぱり嫌だよ……




もう分かんない…分かんないよ……色んな感情が矛盾してて、本当に訳が分からない。







分かんない分かんない分かんない分かんない。






…私は一体…この感情をどうすればいいのだろう？






『嫌だ…死んじゃ嫌だ……お願い、死なないで…』




濃い真っ白な霧の中。私に戸惑うサクラを尻目に、私は一人、ただただ膝から崩れ落ちて泣き続けることしかできなかった。

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