検索窓
今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:85,682 hit

第517話 ページ28

「とっところでどうしたんですか?こんな所で」

「ああいや、ちょっと息抜きに飯食いに行っててな...そしたら帰りにお前がいたって訳」

「ああ、なるほど.....それはお疲れ様です」

「まったくねー.....火影なんてオレの柄じゃないってのに」

「そんなことないですよ!案外似合ってますよ」

「そお?まーお前がそう言うならそういうことにしとこうかね.....」


そう言って首をぐるぐると回すカカシさん。本当に疲れてるんだろうな.....無理もない。


「.....じゃ、そろそろ戻るわ」

「あっはい!あんまり無理しないでくださいね?」

「はいよ。じゃあな」

「さようなら」


ヒラヒラと手を振って気だるそうに去っていく背中を見つめる。


.....やっぱり私のせいで余計な重荷増やしたくないんだよなぁ.....。


密かにそんな思いを携えながら、私は真っ直ぐ家へと帰った。









「カカシさんそっち終わりました?」

「んー...もうちょい。それ後でオレがまとめてやるから、置いといていいよ」

「あ、じゃあその間にこれ片付けちゃいますね」

「助かる」


相変わらず今日も火影室は大忙し。私はいつも通り、カカシさんの手伝いによる雑務に追われていた。


.....えーっとこの書類はこれでいいんだっけか.....。


「.....カカシさーん、これなんですけど.....」

「ん?」


書類に目を通しながらカカシさんを呼んだ。


「.....あーこれね...確か詳しい書類がこっちに.....あった...多分これで.....A?」


私の目の前で首を傾げるカカシさん。


気がつけば肩と肩とが触れ合う程の距離になっていた。カカシさんの目に映る自分の姿がはっきりと見えて、いつもの彼の匂いが鼻をかすめた。


しばらくの間、お互いの目がしっかりと合う。


.....ち.....近いッ!!!


「?」


私は思わず目を逸らすと、ついでにさり気なく距離を取った。


「す、すいませんありがとうございます!大変よく分かりました!」

「?あ、ああ.....書類ここに置いとくぞ?」


カカシさんはそう言うと再び席に戻る。私は小さく息を吐いた。


び.....びっくりしたぁ.....。


「.......」


.....やばいな。いつもならこれくらいなんともなかったのに.....意識し始めただけでこんなことになるなんて.....。


これじゃあ心臓がいくつあっても足りない。


「.......」


ちらっとカカシさんを盗み見る。.....真面目に仕事に取り組む姿勢が、悔しいがいつもよりもカッコよく見えた。

第518話→←第516話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (65 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
964人がお気に入り
設定タグ:NARUTO , はたけカカシ , トリップ   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- 続き嬉しいです!カカシ先生尊い…。 (2020年5月26日 8時) (レス) id: 1380412b8e (このIDを非表示/違反報告)
透羽-とわ-(プロフ) - ここまでイッキ読みしてしまいました〜!カカシ先生が尊い!!これからも更新頑張ってください!! (2020年5月24日 23時) (レス) id: 71f7d12171 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - BORUTOのコクリと夢主が付き合ってる設定の小説も書いて欲しいです (2020年5月24日 20時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続編おめでとうございます!!続きがとても気になります!!!カカシ先生大好きなのでこのお話大好きです。更新頑張ってください (2020年5月24日 1時) (レス) id: 373120d77d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:色葉 | 作成日時:2020年5月24日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。