第512話 カカシside ページ23
「はぁ.....」
「.....Aとなんかあったんスか？」
「.....やっぱり分かる？」
「そりゃさっきまで居た奴が急に消えてるし、オマケに仕事も手付かずじゃあ誰だって分かるっスよ」
先程までAが行っていた書類の整理を代わりに行うシカマル。案の定、先程の事について触れられた。
「珍しいっスね、あんたらがそんな風になるなんて」
「なんだかねぇー.....なんでオレもあんな態度とっちまったんだか.....」
「...喧嘩すか」
「オレが百悪いパターンのね...」
「えっ」
そういうと驚いた顔をするシカマル。そりゃそうだよねぇ。
.....ほんと、なんであんなにムキになっちまったんだか.....オレらしくもない。
.....いや...実は理由なんて分かりきっていのだが。それをシカマルに伝える事は流石にしなかった。
「.....今日はもう帰ってください。元々残ってんのは事務作業ばっかだし、アンタもう三日は徹夜してるでしょう。そんなんじゃどの道Aと喧嘩してなくたって過労でぶっ倒れてますよ」
「.....悪いな...そうさせて貰うよ」
シカマルの言葉に有難く乗ることにしたオレは、今やっていた作業だけを手早く済ませ、早々に火影室を出た。
「.......」
何の変哲もない夕方の木ノ葉の里を歩く。どうにも持っすぐ帰れる気分にも慣れずにその辺をぶらぶらと彷徨う。
脳裏には最後に見た、酷く傷ついた表情のAが思い起こされていた。
.....あの様子だと今日はもう会ってくれそうにないだろうな.....明日ちゃんと謝らないと.....。
「.....はぁ.....」
深くため息を吐いたその時。突然後方から暑苦しい雰囲気が漂ってきた。
「.....ム？そこにいるのはカカシでは無いか！！」
「.....ガイ」
後ろを振り向くと、そこには案の定車椅子になっても暑苦しい、いつも通りのガイがいた。
「珍しいな、こんな時間に出歩いているとは！見回りか？」
「いや...ちょっと訳ありでね.....今日はもう休むことにしたんだ」
「.....お前、何かあったか？」
「.......」
オレはガイになんの断りもなく、車椅子のハンドルを掴むとそそくさと移動を始めた。
「なんだ！どこか行くのか！」
「どうせ暇でしょ。ちょっと付き合ってよ」
「お前が誘うなんて珍しいな！勝負なら受けて立つぞ！！」
「じゃあ飲み比べで」
「いいだろう！じゃあいつもの店でいいな！！」
「はいよ」
ガイの話を適当に流しながら、オレはガイを連れて近くの居酒屋へと向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 964人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千 - 続き嬉しいです！カカシ先生尊い…。 (2020年5月26日 8時) (
レス) id: 1380412b8e (このIDを非表示/違反報告)
透羽-とわ-(プロフ) - ここまでイッキ読みしてしまいました〜！カカシ先生が尊い！！これからも更新頑張ってください！！ (2020年5月24日 23時) (レス) id: 71f7d12171 (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - BORUTOのコクリと夢主が付き合ってる設定の小説も書いて欲しいです (2020年5月24日 20時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - 続編おめでとうございます！！続きがとても気になります！！！カカシ先生大好きなのでこのお話大好きです。更新頑張ってください (2020年5月24日 1時) (レス) id: 373120d77d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：色葉 | 作成日時：2020年5月24日 0時
