第445話 ページ16
サクラに治療をしてもらっている間、突如とある忍から言伝が届いた。
「.......」
"ネジが死んだ"。
震えた声でそう伝えられる。その内容を理解するのは私にとって赤子の手をひねるよりも簡単だった。
「.....っ」
いつかは来るとわかっていた未来。正直、今後のストーリーを考えるならばネジの死はなくてはならないものだ。
それでも今の私にとって仲間が死ぬことは望まれるものなんかじゃない。
まただ。目の前のことに必死で、また助けられなかった。
悔しくて、悲しくて、拳を強く握って地面を殴った。
さっき引っ込めた涙がまた出てきて、一滴だけ地面を濡らした。
.....でも。
「.......」
今は泣いてる場合なんかじゃない。私は涙をぐっとこらえて前を向いた。
目の前のオビトを見定める。
今の私に力なんてない。それでもこの戦争を終わらせて、貴方を救う手伝いくらいはできるはずだから。
大丈夫。ネジの思いはまだ生きてる。これからもずっと生き続ける。それはナルトたちも十分理解してるはず。
ネジだけじゃない...この戦争で亡くなった人も、それ以外の任務や戦で死んでいった人達の分の思いも全部、私達が繋いでいく。
「.....ありがとう、サクラ」
治療を終えたサクラにお礼を言って、立ち上がる。
「.....行けるか?」
「.....はい...行きましょう。一秒でも早く...この戦争を...終わらせる」
私はカカシさんと共に、ナルト達の元へと向かった。
前線へ向かうと、ナルトが九尾のチャクラをみんなに分け与えていた。
私達もそれを受け取るためナルトへと近づく。
途中、リーさんの腕の中で眠るネジの亡骸を見つけた。
「.....」
「...Aさん.....」
リーさんに近づくと、私に気づいた彼は顔を歪めて私の名前を呼んだだけだった。
「.....ネジ、ごめんね.....」
とっくに冷たくなった頬に触れる。
「.......」
...氷みたい.....触った皮膚も、無機質な皮を撫でているみたいで手が震えた。
「.....Aさん...ネジは.....」
「リーさん」
「っはい」
「...分かってる.....ネジの為にも、こんな戦争.....早く終わらせようね.....みんなで」
「.....勿論そのつもりです」
直後、ナルトの手が肩に触れられ、私にも九尾のチャクラが分け与えられた。
...凄い。体の底からどんどん力が湧き上がってくる。
「.......ありがとう、ナルト」
「.....いくぜ」
「うん.....あともう少しだけ、頑張ろう」
950人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽに(プロフ) - お家でゆっくりする様になり何周かしてます!!お体気をつけて下さい!更新待っています! (2020年5月1日 22時) (レス) id: 38a58bcb90 (このIDを非表示/違反報告)
海月猫(プロフ) - 初めまして!!凄く面白くて一気に読んでしまいました…!大変だとは思いますが、無理しない程度で、更新頑張ってください!待ってます! (2020年3月11日 0時) (レス) id: 4024d60599 (このIDを非表示/違反報告)
茅(プロフ) - はじめまして!すごく素敵な作品に出会えて幸せです…!無理しない程度で、更新頑張ってください!ほんとに大好きです〜〜!! (2020年2月7日 9時) (レス) id: 4da9595fa9 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - めっちゃ面白いです!!大変だとは思いますが、執筆頑張ってください!楽しみです! (2020年2月6日 21時) (レス) id: a34d71dbee (このIDを非表示/違反報告)
那々未 - 色葉さん続編ありがとうございます。 (2020年1月17日 19時) (レス) id: 70f98bd1d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:色葉 | 作成日時:2019年11月6日 14時