第114話 サクラside ページ31
『サクラ!!』
「っ!?な、何よ!?」
突然Aに名前を呼ばれて驚く私。ハッと我に返ると、目の前には心配そうに私の顔を除き混んでいるAの姿があった。
…いけない、少し考えすぎてたみたい……
『いや何って…さっきからずっと呼んでたんだけど…』
「え、あ、あぁ…ごめんなさい…」
『大丈夫?なんかボーッとしてたけど…もしかして逆上せちゃった?』
そう言うなり私のおでこに手を当て熱がないかを確認するA。その仕草ですら、今の私には何処か余計に大人びて見えた。
「…ううん、何でもない!いいからほら、はやく戻りましょ!!」
『え、ちょっサクラ??』
そう言って未だに私のことを心配するAの背中を、半ば無理矢理グイグイと押して部屋へと戻る。どうやらイナリ君のお母さんはもう既に此処を去った後の様だった。
…Aの背中を押しながら、再び目の前の彼女のことについて考える。
今日、船の上でカカシ先生からAの過去を大まかにだけれど聞かせてもらうことが出来た。おかげで少しはAの謎は解けたものの、しかしそれでも私のなかにはまだまだいくつもの疑問がたくさんあった。
それはAのもっと詳しい出生…住んでいた所もそうだし、他にも木の葉に来てアカデミー入学までの二年間は何をしていたのかとか、勿論Aのこの不思議と大人びている理由も気になる…この様子だと絶体過去に何かありそうだし……
でもこれ以上の詮索はカカシ先生に止められちゃったしなぁ…まあ流石の私もずかずかと他人の過去に踏み込みすぎるのはいけないことだと分かってはいる。
…でも、それでも今の私にとって新たな仲間となった……
いや、いの以外での、初めての私からの"友達"になれた気がする今では、少しでも多くAのことを多く知りたいと思っていた。
そして、あの時いのが私に手を差しのべてくれたように、私も何かAの力になりたい…今は素直にそう思っていた。例えば、今日のカカシ先生みたいに…
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色葉(プロフ) - 星月夜*ミルトニア[3DS]さん» 本当ですか!?ありがとうございます!!更新頑張ります♪ (2017年9月24日 0時) (レス) id: 53b50fa5d1 (このIDを非表示/違反報告)
星月夜*ミルトニア[3DS] - イラストのクオリティヤバイ………また見てみたいです!更新頑張ってください! (2017年9月23日 22時) (レス) id: 4d66220430 (このIDを非表示/違反報告)
色葉 - 輝夜さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!楽しんで頂けているようで何よりです♪頑張ります! (2017年9月21日 6時) (レス) id: 53b50fa5d1 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - 面白くていつも更新ワクワクしながら待ってます!これからも頑張ってください!! (2017年9月20日 18時) (レス) id: 88c1b11d8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:色葉 | 作成日時:2017年9月13日 6時