傷だらけのマスク男子【BLオリジナル】

◆＊◆ ページ2

「こんな細い奴、ボコボコにすんのはちょっとかわいそうだな」
「俺、こいつなら抱けそう……」
「あはは、いいね。深夜に大嫌いな奴の弟を無理やり犯す。最高じゃん？」
「......や、めて」

……なんだそれ。

男が男を襲おうとしてる？しかもこれ恨みがあるのは兄なのに弟を無理矢理犯す？

……最低だ。吐き気がする。

そう思った時には、俺はもう駆け出していて、男達の1人をぶん殴っていた。

「おい、お前ら。何してんだ……」
「ひっ、誰だお前」
「誰でもいいだろ、何してるか聞いてんだよ！」

俺は横にあったゴミ箱を蹴り倒し、男を怒鳴りつける。めちゃくちゃな音がして、男たちはびくっと震え上がる。

「無理やり犯すとか言ってたな？人としてどうなんだよ」
「う、うるせぇ、お前に関係ねぇだろ！」
「……関係あんだよなぁ......お前らの発言、すんげぇ腹立つ。イライラするんだよ……」
「あっそ、だからどうしたよ。お前がイラつこうがこっちには関係な...」

何を言っても強気な発言の男の胸ぐらを掴む。そして、グイッと引き寄せて睨みつける。

「黙れ、このまま半殺しにしてやろうか……？」
「ひっ……」

ガタガタと震え、涙目になってしまった男を見て、俺は溜息をつく。そして、胸ぐらを掴んでいた手を離して床に放った。

その瞬間、男達は全員ザワザワし出して、俺が殴った奴を連れて怯えながら去ってしまった。

……半殺しにするわけねぇじゃん、俺だって警察沙汰は勘弁してくれって感じなんだから……まぁ、1人殴っちまったけど……

◆＊◆→←◆深夜の路地裏◆

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