色 付 く 世 界 で。【煉獄杏寿郎】

二十七 ページ27

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「 珍しいですねぇ、煉獄さんが蝶屋敷(ここ)に来るなんて 」





煉獄さんが自ら蝶屋敷に姿を現した時は驚きました.


あのアオイですら驚いていましたからね.





見る限り、怪我はなさそうですけど.











「 どうも最近体がおかしいんだ.
動悸が止まらなかったり、心臓がざわついたりする！ 」





「 それは、どんな時ですか？」










「 とある人と時間を共にしたり、手紙が届いた時だ！」





あまりにも真っ直ぐな目で言うものだから、一瞬 考えが止まってしまいました.












「 …あの煉獄さん、その方は女性ですか？ 」



「 うむ 」















煉獄さん、それは＿＿＿＿










「 ﾌﾌ…それは恋煩い、ですね 」



「 むｯ、恋煩い…!? 」



「 ええ、それは恋ですよ. きっと. 」





静かになる問診室.



開けた窓から優しい風が吹き込み、静かに髪を揺らした.










「 ……俺は、Aを好いている…のか？ 」





自分に問うように言葉を放つ煉獄さん.










「 ﾌﾌ…、煉獄さんにも好きだと思える方が出来たんですね. 」





そう言うと、耳の先まで顔が赤くなる彼.










だれかを好きになることは、素敵なことだと思います.










けれど＿＿＿＿










「 煉獄さん、こんなことは私が言う立場ではありませんが…

好きな方にはきちんと想いは伝えた方がいいですよ. 」
















私たち鬼殺隊に、



「また明日」「また今度」が必ずあるとは限らないから.










その言葉はぐっと呑み込んだ.















きっとそれは、煉獄さんも分かっていることだと思いますから＿＿＿＿.





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