色 付 く 世 界 で。【煉獄杏寿郎】

十三 ページ13

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Aからの文が届いた.



これで何度目の文通になるのだろうか.





＿＿＿＿彼女との文通は楽しいものだ.













今日届いた文に綴られていたのは、硝子細工屋で仕事を始めるということ.



何やら俺が言った言葉のおかげだと書いてある.





「 何か言っただろうか？ 」





思い当たる節は全く分からないが、


それでも彼女の力になれたのならば、それはそれで良かったと思う！













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「 あっ煉獄さん！ 」


「 むむ、溝口少年か！ 」


「 竈門です！ 」





竈門少年と、その妹 禰豆子(箱の中に入っているが)とすれ違った.





「 竈門少年よ、元気にやっているか？ 」


「 はい！ 」


「 うむ、元気であることが一番だ！ 」




「 ありがとうございます！

……煉獄さん、なんだか楽しそうな匂いがします.
何かいいことあったんですか？ 」





何かに気がついたかのように鼻をスンスン鳴らし、
ほわんと笑う竈門少年.



たしか、彼は鼻が効くんだったな.






「 うむ、最近、文通を始めたんだ 」



「 文通ですか！ 楽しいですよね〜.
誰かのことを想って綴ったり、相手の近況を知って、それを共感・共有することが出来たりしますからね. 」



「 そうだな！

……それに、安否確認にもなる. 」





「 ……安否確認……？ 」






「 …！いや、なんでもない！ 」










時折、不安になることがある.





Aが、あの時のように、
いなくなろうとするのではないかと.





考えてはならないことだとは自分自身でも承知している.










だがその不安は、突如として現れるから厄介なものだ.










＿＿＿＿なぜ、そのような不安が生まれるかは全くといって分からないな.





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