煙草の匂い。【sm】

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卒業シーズン真っ只中。

高校三年の俺らは最後の高校生活という事でいつにもなく盛り上がっていた。





『志麻くんももう卒業かぁ。早いね。』

志「何気に三年間一緒にいますもんね。」

『志麻くんはよく慕ってくれたもんなぁ……。
本当に、私の生徒の中で一番 " 良い子 " だったよ。』







どれだけ成績優秀でも、普段の行いが良くても、先生を誰よりも慕っても、結局は生徒と教師の関係。
" 良い子 " で済まされてしまうのは何となく分かっていた。


周りからはきっと媚び売りと取られているんだろうが、全くそんなつもりは無い。

心の底から先生に好かれたかった。





『卒業したら何するの？
志麻くん色んな事してるから気になる。』

志「まだ迷ってます……。
先生はこれからも先生で居続けるんですか？」

『……どうかな。』





一瞬悲しそうな顔をした先生は、また煙草を一本取り出した。

そんなに吸っていて身体を悪くしないか凄く心配だが、彼女の事だからその辺はしっかり管理しているんだろう。





志「煙草、俺も吸ってみたいです。」

『え〜、身体悪くするよ？
……でも、まぁ煙草ってくせになるからさ、吸ってみたかったら早く大人になりなさい。』






片手に煙草を持ちながら、もう片方の手で俺の頭をくしゃっと撫でてくる先生は何処か悲しそうだった。









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