Number7. 【irxs】

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今回からメンバーへのアンチが"いる"前提で書かせていただきます。
具体的な内容は書きませんが、苦手な方は自衛お願いします。
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『…はぁ。』


あれから、一応スランプから抜けることはできた。


ただ、今度はあのとき見たアンチスレの内容が忘れられない。


思ったより、酷いものだった。
　

正直、自惚れていたことに気付いた。


いれいすに入って、人気が出て…多分、私…調子に乗ってたんだ。


自分の出した動画とは思えないような再生回数をもらって、チャンネル登録してくれた人数とか、Twitterのフォロワー数とか、コメントの数とか、高評価の数とか…


全部、上手くいきすぎてたのかもしれない。


「どうかしたの？」


その落ち込みと悩みが表に出ていたのか、ないくんがそう声をかけてきた。


『…いや、特に無いけど。ないくんこそなんかあった？』


「俺〜？俺は特に無いよ、そろそろダイエットしなきゃなぁとか考えてるだけ。…それよりさ、本当に無い？顔色悪いけど…」


ないくんが私の顔を覗き込んできた。


…あぁそうだ、私もそろそろダイエットしないとだな。


『それでもない…って言ったら？』


「嘘だよね、言っていいよ。怒らないし。」


…さすがリーダー、としか言いようがない。


『…アンチ、スレ。見たら、忘れられなくなった。』


「…！」


ないくんが驚いたように私を見た。


「アンチスレ、か…俺もそれ、見てもいい？」


それは確かにありがたいけど…でも、


『いや、それはいい…ないくん、そうしたら自分のも見るつもりでしょ？』


「…あれ、バレた？」


ないくん、最初のころにアンチスレ見て、ストレスで倒れそうになってるんだから。


なんとかみんなで協力してやめさせたけど、今見たら絶対また見出す気だよね。


『バレバレだよ。…そうだ、私は大丈夫。見た内容も忘れるようにするし、見ないようにする。』


「…本当？なんかあったら絶対言ってよ？」


『大丈夫だって。最初のころも何回も「やめたい」って言ったけど、結局今こうしてメンバーとして活動してるでしょ？』


…半分本当、半分嘘。


大丈夫ってのは嘘で、やめたいって言ったけどメンバーとして活動してるのは本当。


「そっか、それもそうだね。じゃあ、俺仕事あるからまた。…辛かったら言うんだよ？」


『わかってるって。じゃあ、お仕事頑張ってね！』


バタン、とドアが閉まった。


…もう少しだけ、収録してみようかな。

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