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ぐらぐらと視界が揺れる。
いまいちハッキリしない思考で今理解出来るのはつきりと痛む後頭部のことだけ。
そんな頭も、時間が経てば回復するもので数回目を瞬いた後ゆっくりと辺りを見回す。
『あー…』
吐き出した声に応答はなくただ正方形の密室に虚しく響いた。
だが別にAは誰かに助けを求めたわけでもなく、誰も返答をしないその状況を嘆くことなく頭を動かす。
(声の反響的に地下だな。空気がそこまで薄くないところを見るとそんなに深くはないか。唯一外へ出れるのは目の前の扉1枚か……拘束具は、革ベルトか？両手両足を椅子に括り付けられた形で縛られているところを見るにこれから情報をはかされるために…爪からくるかな)
皆忘れてはいないだろうか。
この少女、未だ齢10である。
そんな少女の爪を剥がそうと考えるこの国も国だがAもAで肝が座りすぎている。
否、それが生前の姿であれば｢ああ、やはりこの方は国を統べる者なのだ｣と納得できたであろう。
可憐な美少女がこれから起こる流血不可避の想像をしている最中、かつ、かつと軽い音が聞こえて巡らせていた思考を止める。
兵士か、上官か、はたまた国王か。
いずれにせよ今のAに会いに来るなんて十中八九敵陣営の奴だ。
縛りつけられている特性の椅子を軽く握り目の前の扉を睨む。
(そうか、お前がいたか)
キィ、と鉄扉がゆっくりと開き、足音の主が部屋に入る。
そこに居たのは兵士でも上官でもはたまた国王でもない。
ヨレたスーツに艶のある黒髪、沈んだ瞳、密室に白煙を漂わせ、Aを見つめてまた緩く息を吐いた。
ut｢起きたんやなAちゃん｣
『少しばかり後頭部が痛いがな。概ねいつも通りだ、鬱』
なんてことないような会話だった。
その場所が地下室ではなく食堂であったら。
2人の頬を撫でる空気が湿ったものではなく晴れた空のものだったら。
それは"いつも通り"だったはずだ。
『いつから決めていたんだ？』
ut｢何がや｣
『私たちを裏切ることさ』
ut｢……………幹部に入った時、ううん。軍に入った時からって言ったら？｣
『有り得るな、お前のことだ』
ut「助けを呼ぶんは不可能やで。ここは城の東棟の一番端の地下二階やからな。誰も気付かへん」
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天笑くん(プロフ) - もう更新はなされないのでしょうか……。Twitterの垢などありましたら是非繋がりたいです……。 (2020年10月3日 4時) (
レス) id: 009e7901bd (このIDを非表示/違反報告)
つん - あああああ好きです (2020年3月11日 23時) (レス) id: cfb0800075 (このIDを非表示/違反報告)
まぁち - え、もうやばい… 惚れる… (2020年1月6日 21時) (レス) id: ba1aceb76e (このIDを非表示/違反報告)
パセリ(プロフ) - いおさん» 乙女ゲー…なるほど、その考えはありませんでした。検討してみます。コメントありがとうございます (2019年11月6日 6時) (レス) id: 1c07c807f8 (このIDを非表示/違反報告)
いお - 乙女ゲーパロがいいです！ (2019年11月5日 19時) (レス) id: 35fa5d69c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@mimizu810 | 作成日時：2019年8月7日 2時
