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とある王都。
馬車から降り立ったAと鬱は商店街のとある一角をめざしていた。
目当ては奥にそびえる城ではない。
赤いレンガ屋根にクリーム色の壁。
扉の上あたりに吊り下げられている看板には【daily】と綴られている。
『ついたぞ。良かった。まだ滞在していたようだな』
その意味を確かめるまもなくAは木製の扉を開いた。
中はこじんまりとしていて静かな音でクラシックがながらており、小さな骨董品店のような感じだ。
店の奥にあるレジカウンターには奥に座る淡い緑色のシャツを着た男。
｢やぁいらっしゃい。どんなものをお探しで？｣
柔らかな口調で話しかけてくる男にAはレジカウンターに手を置いて口を開いた。
『久しいなトラゾー。また会えて嬉しいぞ』
その言葉に当の本人のトラゾーと呼ばれた彼はキョトンとしたあとごく当たり前の質問を投げかけた。
tr｢あの、私は君にあったことないんですが…｣
『ﾁｯ、この姿はつくづく面倒だな』
自分の体を見て悪態をついた。
だがそれを見越していたのか胸ポケットからひとつの小さな封筒を取り出しトラゾーへと差し出す。
赤の蝋封でとじてある少し色褪せた蓮黄色の封筒。
『依頼だ、プークス団。あの時の恩返しの時間だぞ』
トラゾーは封筒の中身を見て目を見開く。
名刺サイズの紙にはプークス団と書かれていてその後ろにはトラゾー直筆の一言メモが綴られている。
【何かあった時いつでもこいよな！ プークス団より愛をこめて】と。
トラゾーは名刺とAの顔を交互に見つめそのあと瞳をうるませながら口をはくはくと動かす。
『ああ、そうか。もう一度言ってやろうか』
組んでいた腕を解き、腰に手を当てしたり顔で笑うAは言った。
『久しいなトラゾー。また会えて嬉しいぞ』
tr｢………っ。よかった…………ほんとうに……｣
カウンター越しに立つAの手を取り、両手で握ってからトラゾーは静かに涙を流し始めた。
やんわり微笑んだAはトラゾーの肩に手を置き静かに問うた。
『急ですまないな。話したいことがあるんだ、時間を貰っても？』
tr｢ああ、ああ。もちろんだ｣
トラゾーは涙を拭い1度店の出入口まで歩いて扉にかかる札を｢OPEN｣から｢CLOSE｣にするとAと鬱を店の奥へと招いた。
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天笑くん(プロフ) - もう更新はなされないのでしょうか……。Twitterの垢などありましたら是非繋がりたいです……。 (2020年10月3日 4時) (
レス) id: 009e7901bd (このIDを非表示/違反報告)
つん - あああああ好きです (2020年3月11日 23時) (レス) id: cfb0800075 (このIDを非表示/違反報告)
まぁち - え、もうやばい… 惚れる… (2020年1月6日 21時) (レス) id: ba1aceb76e (このIDを非表示/違反報告)
パセリ(プロフ) - いおさん» 乙女ゲー…なるほど、その考えはありませんでした。検討してみます。コメントありがとうございます (2019年11月6日 6時) (レス) id: 1c07c807f8 (このIDを非表示/違反報告)
いお - 乙女ゲーパロがいいです！ (2019年11月5日 19時) (レス) id: 35fa5d69c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：@mimizu810 | 作成日時：2019年8月7日 2時
