【アイナナ】Hiver【千】 (ページ2)

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01-2 貴女side ページ2

素敵な人生だとはとても言えなかった。悩みしかない人生だ。

それを誰かに聞いてほしい。あわよくばそれが、大好きな千だったなら、どんなに良いことだろう。

微かに希望を持って、窓の外を見る。いつの間にか雨は上がり、青空が見えていた。
Re:valeマジックだ、と思った。雨が止んだなら葉書を出しに行ける。

まだ肌寒さの残る5月。軽い上着を羽織って、外に出る。

ポストまではそこまで遠くもなく、「千に会えますように」と葉書をポストに投函しながら、少しだけ神頼みをしてしまった。

特別祈願というわけではないのだけれども、何となく当たれば良いなと、行きも帰りもRe:valeの曲を聴きながら歩く。

少しCDショップに寄ってみたりなんかして、持っていないものはないはずのRe:valeのアルバムの前で手を合わせる。

「千に会ってみたいなあ…」と独りごちて、店を出た。

いつの間にか夕焼けが射して、17時のチャイムが鳴り出す。子供たちが「またな」とか言いながら、家路を駆けていく。
そんな風景に寂しさを覚えながら、家路に着くのであった。