. ページ33
.
「おまっ、それ、怪我してるんか...?」
後からやってきたフードを被った迷彩服の男が心配そうな表情...まぁ、フードで表情はわからないのだが...で聞いてきた。私が怪我してない、と言えば安心したような雰囲気になり、私にバサッとパーカーを掛けてくれた。
私がえ?と驚いていれば、露出しすぎや、と手の甲で口元を隠し、視線を逸らすと、少し恥ずかしそうにそう言ってきた。あぁ、確かに今、服がなくてナタリーの服を着てるからか、と納得した。ちなみにパーカーは持っていた予備を貸してくれたらしい。
今では慣れてしまったが、毎朝着るのに己の羞恥心との格闘があるのを思い出し、素直にありがとう、と感謝を伝えておく。現状、このパーカー男が1番好印象である。
今度服買いに行こ...
「いや、ええねん。それより変異型倒したの、あんたか」
1番好印象であるパーカー男が私の礼を軽く流し、服についた血を見てそう言ってくる。どうやらある程度の情報は持っているらしい。私はそうです、と返事をすればパーカー男の斜め後ろに立っていた男が話しかけてきた。
どうやら彼はエーミールと言うらしく、丁寧な所作で挨拶をされ、私も慌てて同じようにマナーに気をつけ挨拶を返す。ちなみにパーカー男はゾムと言うらしい。
ゾム...さん?と言えば、どうかしたか、A?と言われたため、この呼び方でいいのだろう。何でもないです、と返せばそうかと言い彼との会話は終了した。
彼等的にはこのままのんびり会話していても良いのか、話しかけてきてくれるのだが、私の耳についているインカムからはくられ先生からの催促が物凄い。遠回しではあるが要は早く帰ってこい、研究がしたい、帰ってこなくば実験体にする、とのことだった。
いや、どう考えても返事できないから!と思っていればナタリーがゾムさん達はどうやらくられ先生の知り合いらしく、インカムで会話しても問題ない、とのことらしい。
ナタリーからその情報がもたらされ、私は速攻でくられ先生に今から帰ります、と伝えればくられ先生はやった〜!!と爆音で返事が来た。キャラ崩壊してないか?この先生。
261人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:イオ x他1人 | 作成日時:2021年1月25日 22時