Really no (ページ21)

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「楽しかったね～」

「うん、もう暑いし帰ろ？」

どんだけ帰りたがるんだ俺はって感じだけど、「せんせいとイチャつきたいし」なんていえば肩を軽く殴られた。
照れ隠しって知ってるから、可愛いとしか思わない。暗いから顔は見えないけど、多分真っ赤だろうし。

「て、つなご？」

「うん、せんせいからしてくれるのはじめてだね」

いつもは俺が静かにせんせいの手を取って、絡め合わせてたのに。今日のせんせいは何かと積極的。

さっき家を出る前も「外じゃできないから」という理由をつけてキスをしてきた。
まぁ、触れるだけのキスじゃ足りなくて長い時間舌を絡めてたんだけど。

離れた時、糸がひいて溶けた顔の伊野尾ちゃんを見るのはある意味我慢できなかったし、このまま押し倒そうかなんて思ってたけど、

せんせい、花火楽しみにしてたから、それは帰ってきてからのお楽しみってことで。

それでやっと、花火が終わって帰宅。
さっきの続きできるね？

「せんせ～」

「うっ、なに、」

ドアを閉めた瞬間になだれ込むように抱きつくと、ほっそいのにそれなりの力はあるのか受け止めてくれた。この時間をどれだけ心待ちにしていたか。

「やまだくん、先にお風呂入ろ？」

「え～？先にイチャつこうよ」

今日の俺はどんだけデレなんだ。

でも、最近お互い忙しくて全然会えなかったから
俺、せんせい不足なんだよ。

だから、俺をせんせいでいっぱいにしてよ、

ぎゅって抱きしめて、深くキスして

花火特有の少し焦げ臭い匂いが、鼻を掠めた

〈俺の楽しみ〉end

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