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衝撃 ページ26

「君に協力するって決めたから云うけど…

中也、任務で死んじゃうんだ」


ぎゅっと胸を締め付けられる想いがした。

胸が苦しい。痛い。頭が、身体がその声を言葉を否定して意味を理解する事を全力で拒んでいる。


「ハッハハ…


ウソ、ですよね」


下手な笑い声が漏れる。



「嘘じゃないよ…本当の事なんだ」


「判らないよ。何で?だって…だって中也君は

強いんでしょ?」


ハッと息を飲む音が聞こえた。


「そうよ。彼は強い。でも、死は…命は皆平等なの」


パンダさんは小学校の道徳で永遠聞かされる様な台詞を云った。


その言葉を聞いた時、胸の奥が疼いた

パンダさんを見る。

目が合う。



「何故、中也君は死ぬんですか?」




真っ直ぐと突き刺すような視線が互いに交わされる。

先に目を逸らしたのはパンダさんだった。


「本人から聞くべきだよ」


「そうですね」

そうだ。これから会えるのだ。

ちゃんと本人から聞こう。


わたし達は再び前を向いて歩き出した。

時折曲がったり曲がったりしながら裏路地へと入って行く。


「何か、陰気臭い所ですね」

「そうね、でも私は好き。落ち着くから」

「そう云えば、パンダさんの名前、聞いてないですね。名前教えて下さいよ」

「うーん、でも私、その呼び方気に入っちゃった」

そんな会話をしている時、ピタッとパンダさんが足を止めた。

「あの人…」

パンダさんの視線の先には砂色の外套を羽織った長身の男が居た。

顔は見えないが、包帯らしき物も巻いている。

「太宰さんだ…」

思わず呟くと、パンダさんは小さく息をついた。

「何、知り合い?」

「はい。少し話しただけですけど…」

「何にせよ、こんな処に居るなんて…警戒は解けないわね」

「そうですね」

わたしも最後に太宰と会った時の事を思い出して警戒を高めた。

その間にも太宰との距離は縮まって行く。

十メートル









5メートル



3メートル

2メートル

1メートル





 0


──ドンッ


「…!!何、してるの」

太宰と、パンダさんがぶつかった。

否、違う。



「ガハッ…」


パンダさんが


刺された。






パンダさんのお腹に花が刺さっている。

血が…止まらない。

花じゃない。ナイフだ。

だ、誰か、助けて…否此処には誰も居ない。

私が何とかしなきゃ!



「Aちゃん…」

パンダさんが掠れた声を上げた。


「私…名前…」


パンダさんは、それだけ言ってそれきり……


何で、、

涙が頬を伝った。

天才は→←緩やかに流れた5ヶ月間



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設定タグ:文スト , 中原中也 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:恋愛
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爽斗 - せれな さん» 本当ですか!!ありがとうございます!!頑張ります!! (2021年8月27日 22時) (レス) id: 5b5562e114 (このIDを非表示/違反報告)
せれな - 本当に面白いです これからも応援しています! (2021年8月25日 20時) (レス) id: 6fed7b85b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:爽斗 | 作成日時:2021年7月15日 2時

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