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「Aー、」
「はーい、」
「買ってきたぞ。……棘、大丈夫か?」
「棘ー、大丈夫ー?」
「ありがとう、真希ちゃん、五条先生も」
買ってきてもらったものを受け取り、冷えピタやゼリーを用意する。
棘くんは少ししんどそうだけど、嬉しそうに笑って片手を上げていた。
「仲直りしたみたいで良かったよ」
「おかげさまで…、」
「…あ、」
「え?」
ふと、五条先生が私を見つめて固まる。
するとすぐに、先生は悪そうな笑みを浮かべて。
「……へぇ、棘もやるじゃん」
「……へ、」
先生はトントン、と自分の首を指差した。
真希ちゃんもそれを見ると、ニヤリと笑って。
「えっ、なに」
「どうも邪魔したみたいだな」
「仲直りしたにもほどがあるよね〜」
「んじゃ、また来るわ」
「ごゆっくり」
ぽん、と手鏡を真希ちゃんに渡されて、二人はそそくさと出ていく。
そのまま自分の首元に目をやると、赤く染まった小さな跡。
「……んなっ、」
「……、」
ぼっ、と顔が赤くなるのを感じて棘くんに目を向けると、彼はすぐに布団を頭まで被って。
「みんなぁ〜!Aが〜!」
部屋の外で叫ぶ五条先生の声に頭を抱える。
いや恥ずかしすぎる。いくらなんでも。
私は小さくため息をつくと、まぁいいか、と笑った。
「…棘くん、」
「…いくら?」
怒られると思ったのか、そろ、と顔を布団から覗かせる棘くん。
「私も、大好きだよ」
サラサラの彼の髪に触れて、彼のおでこにキスを落とす。
らしくないことをして、二人揃って真っ赤に染まった頬に笑い合った。
(あなたの言葉になら、呪われたっていい)
なんて、馬鹿なことを考えながら。
私たちは手を繋いで眠りについた。
証言します。【狗巻棘】
Fin.
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鹿毛(プロフ) - 高専みたいな少人数で先輩後輩(+一部の先生)の距離が近い学校だと、棘君もにやにやされながら見守られてるんだろうなあ、と私も画面の向こうでにやにやしておりました 笑 もし番外編を書いていただけるなら、二年生担任の日下部篤也先生の証言も読んでみたいです! (2021年3月3日 16時) (レス) id: 67d713f823 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 製作者自身で削除したのか報告によるものかは分かりませんが、今後もしこのようなことがあった場合には、トラブルを回避するためにも報告をして頂くのが最善かと思われます。教えていただき、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました…! (2021年2月12日 12時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - あややさん» この度はご親切に報告していただき、本当にありがとうございます!あややさんが教えて下さらなかったら気付かなかったと思いますので、とても助かりました…!確認しました所、既に削除されていたものの、形跡があり完全に私の小説をコピーしたものでした。。 (2021年2月12日 12時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
あやや(プロフ) - 初コメ失礼します!唐突で申し訳ないのですが、プリ小説というアプリで作者様のパクリらしき作品を見つけてしまい。。。題名は『証言しますよ?先輩』というのですが、プロローグがほぼというか全く一緒で、、、これって報告した方良いのでしょうか? (2021年2月11日 21時) (レス) id: 6957d2b079 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - ぱーむくーへんさん» わー!ありがとうございますー!ぱーむくーへんさんのコメントににやけが止まらないです笑 純粋にめちゃくちゃ嬉しいです!ありがとうございます! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日向 | 作成日時:2021年1月8日 20時